CODE BLUE の可能性について、CODE BLUE 事務局の篠田佳奈氏(以下敬称略)と、株式会社カスペルスキーの川合林太郎氏(以下敬称略)に話を聞いた。
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日本発の国際セキュリティカンファレンス CODE BLUE は、2014年2月に第1回を開催、400名超という、同種の有料カンファレンスとしては、これまでにない成功を収めた。アジアを代表するカンファレンスへの成長が期待される CODE BLUE の可能性について、スポンサーとして運営をバックアップする企業にインタビューを行った。CODE BLUE 事務局の篠田佳奈氏(以下敬称略)と、株式会社カスペルスキーの川合林太郎氏(以下敬称略)に話を聞いた。
――カンファレンスやイベントは、そこで発表される講演の内容が紹介されることが多いんですが、それを運営する側からセキュリティコミュニティを考えるという趣旨で、お話を聞きに参りました。カスペルスキーは、CODE BLUE の第1回と第2回双方、エメラルドスポンサーとして開催を支援していますが、CODE BLUE にどんなことを期待しているのでしょう。
川合 「がんばれ」という冷たい言葉ではなく「がんばろう」と言いたくて協力しています。ベンダーニュートラルで、幅広い最新の知見が交換できるカンファレンスは、日本には今 CODE BLUE しかないと思います。セキュリティに携わっている人の「希望の灯」を消してはいけないと思っています。第1回のような高い水準のカンファレンスを今後も維持、向上させてほしいと思っています。もっとも、弊社は CODE BLUEに口出しするつもりは一切ありません。お金は出して口は出さない、いいスポンサーを目指しています(笑)。
篠田 CODE BLUE をはじめてから、いろいろな方に、日本のセキュリティを明るく盛り上げてくださいと言葉をいただいていて、みなさまの熱い期待に気が引き締まる思いです。
――今年日本法人設立から10周年を迎えたカスペルスキーはどんな会社でしょうか。
川合 カスペルスキーは、「Save the World from IT Threats. (以下、Save the World)」という社のスローガンを本気で実現させようとしている少し変わった会社です。利益よりも、「Save the World」という目的の方が優先されることもあります。インターネットが犯罪のインフラになったり、国家間の戦争がサイバー空間で行われる危惧があるなどの現在の状況を、カスペルスキー社の取締役会長兼CEOの ユージン・カスペルスキーは会社を設立した 1997 年の時点で、「そういう世界に必ずなる」と予見していました。ユージンは本気で「世界を守る」と言っています。そんなユージンに賛同した人達やトップアナリストが入ってきて、盛り上げてきた会社です。
川合 「Save the World」のミッションを達成するためには、3つの課題があると思っています。ひとつは、「高い水準の技術の維持」です。攻撃者から実際に守る技術を常に高い水準で、後追いでなく攻撃を先回りするような技術開発に注力し、それを維持することです。ふたつ目が「サイバー犯罪対策への協力」です。CODE BLUE への支援もここに含まれますが、他には、インターポール(国際刑事警察機構)に無償で人を派遣したり、マルウェアの解析ツールを提供したりしています。また、インターポール加盟国の警察組織向けにトレーニングや教材・資料を提供しています。最後の3番目の課題が「ユーザの信頼を勝ち取ること」です。