MySQL の空間情報を扱うクエリの処理に起因する DoS の脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity
2024.03.29(金)

MySQL の空間情報を扱うクエリの処理に起因する DoS の脆弱性(Scan Tech Report)

MySQL には、空間情報を扱う特定のクエリを処理した場合に、サービス運用妨害 (DoS) が発生する脆弱性が存在します。

脆弱性と脅威 エクスプロイト
1.概要
MySQL には、空間情報を扱う特定のクエリを処理した場合に、サービス運用妨害 (DoS) が発生する脆弱性が存在します。
データベースにアクセス可能な悪意あるユーザに利用された場合、MySQL サーバを不正に停止される可能性があります。
脆弱性を悪用された場合の影響度が高いため、対象のユーザは可能な限り以下の対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
5.0
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2013-1861&vector=%28AV%3AN/AC%3AL/Au%3AN/C%3AN/I%3AN/A%3AP%29


3.影響を受けるソフトウェア ※
MySQL 5.1.69 以前
MySQL 5.5.31 以前
MySQL 5.6.11 以前

※1 影響を受けるバージョンの MySQL が含まれる、Linux ディストリビューションにおいても、この脆弱性の影響を受ける可能性があります。
また、MariaDB 5.5.29/5.3.12/5.1.67 以前もこの脆弱性の影響を受けることが報告されています。


4.解説
MySQL には、経度緯度などの空間情報を取り扱うことが可能な geometry 機能※2 が実装されています。

※2 Class Geometry
http://dev.mysql.com/doc/refman/5.1/ja/gis-class-geometry.html

MySQL には、この geometry 機能において、空間情報を文字列に変換処理する際の長さチェックに不備があるため、過度に大きなバイナリ値が指定された空間情報を変換処理した場合に、mysqld がクラッシュする脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、MySQL に接続可能な攻撃者は、MySQL サーバをサービス不能状態にする可能性があります。


5.対策
以下の Web サイトより、MySQL 5.1.70/5.5.32/5.6.12 以降を入手しアップデートすることで、この脆弱性を解消することが可能です。

MySQL Downloads:
http://www.mysql.com/downloads/

あるいは、以下の Web サイトを参考に、MySQL 用の Critical Patch Update (CPU) July 2013 を入手し、適用することで、脆弱性を解消することが可能です。

Critical Patch Update July 2013:
http://www.oracle.com/technetwork/topics/security/cpujuly2013-1899826.html


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー脅威分析センター

※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。

Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×