サイバーディフェンス研究所の福森大喜氏は、ゲストブロガーとして参加するエフセキュアブログで7月25日、日本の安全保障に関する業務に携わる人たちに対してマルウェア付きのメールが届いているとして、その手口を紹介している。これは、メールの添付ファイルとして「取材依頼書」というファイル名のzipファイルが届くというもの。このファイルを展開すると、テキストファイルへのショートカットが入っている。プロパティを確認すると、確かにtxtファイルへのショートカットになっているように見える。しかし、リンク先の欄を左にスクロールしていくと、別の文字列が出てきて、本当のリンク先は%ComSpec% ...であることがわかる。%ComSpec%というのはコマンドプロンプト(cmd.exe)を意味するので、このリンク先の欄で攻撃者が指定した命令を実行させられてしまう、つまりは攻撃者にPCを乗っ取られてしまうことになる。今回の事例では、もしショートカットをクリックしてしまうと、感染したPCのフォルダやファイルの情報を盗み出し、最終的にはPC内のファイルの内容を盗み出す仕組みになっていた。福森氏は、人から送られてきたショートカットはクリックしてはいけないと警告している。