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2018.04.21(土)

Microsoft Internet Explorer の execCommand メソッドに起因する 0-Day エクスプロイト(Scan Tech Report)

脆弱性と脅威 エクスプロイト

1.概要
Microsoft Internet Explorer (IE) に解放済みメモリを使用してしてしまう脆弱性が報告されました。
ユーザが悪質な Web ページを閲覧した場合に、リモートの第三者によってシステム上で不正な操作が実行される可能性があります。
この脆弱性は、Eric Romang 氏が 2012/9/14 に 0-Day エクスプロイトを悪用した攻撃が行われていると自身のブログで報告し、Microsoft が 2012/9/21 に定例外のセキュリティ更新プログラム (パッチ) を公開した問題です。
この脆弱性を悪用する攻撃が確認されており、攻撃を受ける可能性が高いことが考えられるため、パッチ未適用の IE を利用するユーザは可能な限り以下に記載する対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
9.3
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2012-4969&vector=%28AV%3AN/AC%3AM/Au%3AN/C%3AC/I%3AC/A%3AC%29


3.影響を受けるソフトウェア ※
Microsoft Internet Explorer 6
Microsoft Internet Explorer 7
Microsoft Internet Explorer 8
Microsoft Internet Explorer 9


4.解説
Microsoft Internet Explorer (IE) の execCommand メソッドは、指定されたコマンドを実行する際、CHTMLEditor::AddCommandTarget() で CMshtmlEd オブジェクトを作成し、mshtml@CMshtmlEd::Exec() を呼び出します。

IE の mshtml.dll には、execCommand メソッドで selectAll イベントを実行中に、onselect イベントを介して document.write() を呼び出し Web ページのコンテンツを書き換えた場合、メモリ領域から CMshtmlEd オブジェクトを不適切に解放してしまう不備があります。
このため、mshtml!CMshtmlEd::Exec() が、解放済みの CmshtmlEd オブジェクトが存在したメモリ領域を参照してしまう脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、リモートの攻撃者は、IE を実行するユーザの権限で任意のコード実行が可能となります。

なお、IE 10 および Server Core インストールを実施した Windows Server 2008, Server 2008 R2, Server 2012 は、この脆弱性の影響を受けません。
また、Windows Server 2003, Server 2008, Server 2008 R2 上の IE においては、既定で、セキュリティ強化の構成と呼ばれる制限モードで実行されるため、脆弱性の影響は緩和されることが Microsoft より報告されています。

発見者である Eric Romang 氏によれば、Scan Tech Report Vol.495 で紹介した Java SE 7 0-Day の脆弱性 (CVE-2012-4681) の調査中に、この脆弱性を悪用して不正なプログラムをインストールする Web ページを Nitro 攻撃※1 で利用されていたイタリアのサーバで発見したと報告しています。

※1
The Nitro Attacks
http://www.symantec.com/content/en/us/enterprise/media/security_response/whitepapers/the_nitro_attacks.pdf
The Significance of the "Nitro" Attacks
http://blog.trendmicro.com/trendlabs-security-intelligence/the-significance-of-the-nitro-attacks/


5.対策
以下の Web サイトを参考に、それぞれの Windows OS の IE バージョンに対応するパッチ (MS12-063) を入手し適用することで、この脆弱性を解消することが可能です。
※Windows Update/Microsoft Update を行うことでも同様に解消することが可能です。

MS12-063:
http://technet.microsoft.com/security/bulletin/MS12-063

あるいは、以下のいずれかの回避策を実行することで、この脆弱性による影響を緩和することが可能です。

・Microsoft Fix it 50939 を適用する ※2
・Enhanced Mitigation Experience Toolkit (EMET) を使用する ※3
・IE のインターネットおよびローカルイントラネットゾーンにおける ActiveX コントロールまたはアクティブスクリプトの実行を変更する

※2
MS12-063 Fix it for me
http://support.microsoft.com/kb/2744842
※3
Enhanced Mitigation Experience Toolkit
http://support.microsoft.com/kb/2458544

また、当該パッチでは、他にも解放済みメモリを使用してしてしまう複数の脆弱性 (CVE-2012-1529/CVE-2012-2546/CVE-2012-2548/CVE-2012-2557) が解消されています。詳細につきましては、Microsoft より提供されるマイクロソフト セキュリティ情報 MS12-063 を参照下さい。


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー脅威分析センター

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Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html
《吉澤 亨史》

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