Adobe Flash Player の OpenType フォント処理に起因する整数オーバーフローの脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity
2024.04.24(水)

Adobe Flash Player の OpenType フォント処理に起因する整数オーバーフローの脆弱性(Scan Tech Report)

Adobe Flash Player に整数オーバーフローを引き起こしてしまう脆弱性が報告されました。

脆弱性と脅威 エクスプロイト
1.概要
Adobe Flash Player に整数オーバーフローを引き起こしてしまう脆弱性が報告されました。
ユーザが悪質な SWF ファイルを利用する Web ページまたは SWF ファイルが埋め込まれた Office ドキュメントを閲覧した場合、リモートの第三者によってシステム上で不正な操作が実行される可能性があります。
この脆弱性は Alexander Gavrun 氏が発見し、Adobe Systems が 2012/8/14 にアドバイザリと共に解消バージョンの Flash Player を公開した問題です。
既にこの脆弱性を悪用する標的型攻撃が確認されており、今後 Web ベースの攻撃にも悪用される可能性が高いことが考えられるため、影響を受けるバージョンの Flash Player を利用するユーザは可能な限り以下に記載する対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
9.3
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2012-1535&vector=%28AV%3AN/AC%3AM/Au%3AN/C%3AC/I%3AC/A%3AC%29


3.影響を受けるソフトウェア ※
Adobe Flash Player 11.2.202.236 for Linux 以前
Adobe Flash Player 11.3.300.270 for Macintosh 以前
Adobe Flash Player 11.3.300.270 for Windows 以前

※Google Chrome に同梱される Adobe Flash Player もこの脆弱性の影響を受
けます。


4.解説
Adobe Flash Player には、SWF ファイルを処理する際の OpenType フォント (.otf) の取り扱いに不備があるため、不正なカーニング (Kerning) テーブル情報を持つ OpenType フォントが埋め込まれた SWF ファイルを処理した場合に、整数オーバーフローを引き起こしてしまう脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、リモートの攻撃者は Flash Player を利用するブラウザをクラッシュさせる、あるいは Flash Player を実行するユーザの権限で任意のコード実行が可能となります。

なお、Adobe Systems を含め Symantec, Trend Micro, IBM などによれば、悪質な SWF ファイルが埋め込まれた Microsoft Word ファイルを介してこの脆弱性を悪用する標的型メール攻撃を確認していると報告しています。

脆弱性「CVE-2012-1535」、バックドア型不正プログラムをもたらす
http://blog.trendmicro.co.jp/archives/5785
Adobe の脆弱性(CVE-2012-1535)を悪用する脅威に利用された iPhone 5 の噂
http://www.symantec.com/connect/blogs/adobe-cve-2012-1535-iphone-5
新たに公開されたAdobe Flash Playerの脆弱性(CVE-2012-1535)を悪用する攻撃を確認
https://www-304.ibm.com/connections/blogs/tokyo-soc/entry/adobe_flash_20120820
CVE-2012-1535: Adobe Flash being exploited in the wild
http://labs.alienvault.com/labs/index.php/2012/cve-2012-1535-adobe-flash-being-exploited-in-the-wild/


5.対策
以下の Web サイトを参考に、下記のバージョンの Adobe Flash Player に
アップデートすることで、この脆弱性を解消することが可能です。

Adobe Flash Player 11.2.202.238 for Linux 以降
Adobe Flash Player 11.3.300.271 for Macintosh 以降
Adobe Flash Player 11.3.300.271 for Windows 以降

APSB12-18: Adobe Flash Player に関するセキュリティアップデート公開
http://helpx.adobe.com/jp/flash-player/kb/cq08150306.html

※Google Chrome においては、Google Chrome 21.0.1180.79 以降で解消され
ています。

Stable Channel Update
http://googlechromereleases.blogspot.dk/2012/08/stable-channel-update_14.html


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー脅威分析センター

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Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html

《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》

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