NTTデータ先端技術株式会社は11月14日、Microsoft Office Excelにおける変数初期化処理の脆弱性(CVE-2011-0105、MS11-021)に関する検証レポートを公開した。これは、Microsoft社のOffice製品である「Excel」に、リモートから任意のコードを実行可能な既知の脆弱性(CVE-2011-0105)。この脆弱性はExcelの変数初期化処理に存在する。Excelファイルを解析中に正しく変数を初期化しないことから、バッファオーバーフローを引き起こす可能性がある。この脆弱性を悪用することで、ローカルユーザと同じ権限が奪取される危険性がある。同社では今回、この脆弱性の再現性について検証した。検証は、Microsoft Windows XP SP3およびMicrosoft Excel 2007 SP2を検証ターゲットシステムとして実施した。検証は、ターゲットシステムに細工したExcelファイルを閲覧させ、脆弱性を利用した攻撃コードを実行することで任意のコードを実行されるというもの。今回の検証に用いたコードは、ターゲットシステム上から特定のサーバ、ポートへコネクションを確立させるように誘導し、システムの制御を奪取するもの。これにより、リモートからターゲットシステムの操作が可能となる。検証の結果、誘導先のコンピュータ(Linux)上にターゲットシステム(Windows XP)の情報が表示され、リモートからターゲットシステムの操作が可能になることが検証された。