翌日の午後、葛城のところに行くと、
「工藤さん、うちの和田となにかありましたか?」
葛城が渋い顔でオレに言った。オレは、和田から解放された後、ほとんど徹夜で罠の計画を資料にまとめて、すぐに葛城に会いに来たのだ。これ以上オレに負荷をかけるな。
「昨日、一緒にメシ食ったけど、なにか?」
お前はろくなシステム管理もしてないくせに、そっちの方には敏感なのか。
「和田が相談があると言うので話を聞きました。彼女の主張によれば、あなたが彼女に暴行したということになっています。和田はことを荒立てたくないと言っていますが、どうしますか?」
「おいおい、まさか本気にしてないだろうな」
オレは血の気が引いた。そこまで電波だと思っていなかった。