工藤伸治のセキュリティ事件簿 第14回「クライアントの社員」 | ScanNetSecurity
2024.04.19(金)

工藤伸治のセキュリティ事件簿 第14回「クライアントの社員」

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オレは上機嫌で会議室を出た。葛城の野郎は残って、IDとパスワード再発行の作業計画を立ててる。

オレが鼻歌を歌いながら会社のビルのロビーに出ると、和田が通りかかった。そういえばこいつもメールを盗聴してたんだよな。

「あ」和田はオレを見ると声を上げた。こいつ、意外と目が大きい。結構かわいいかもしれない。オレは、さっき妄想の中で触った太腿を見た。むっちりとした太腿は黒いストッキングに覆われている。きれいな細い脚じゃないとこが余計にいやらしい感じがする。

「こんちは」

オレが挨拶すると、和田は顔を赤くしてうつむいた。わからない。なんで恥ずかしがってるんだ。と思っていると、和田はちょこちょことオレに近づいてきた。

「和田です」

和田は上目遣いでオレを見ながら、小さな声でささやくように言った。なんでまた自分の名前を言ってるんだか、よくわからなかったけど、声はちょっと色っぽい。

《一田 和樹》

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