日々変化するセキュリティの「常識」YES/NOクイズ<第20回> | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

日々変化するセキュリティの「常識」YES/NOクイズ<第20回>

 先週参加いただいたクイズ「2002年に起こったネットワーク事件」の解答と正解の集計結果を、解説とともに紹介する。

特集
 先週参加いただいたクイズ「2002年に起こったネットワーク事件」の解答と正解の集計結果を、解説とともに紹介する。


【設問1】
 『2002年上半期(1月〜6月)に、もっとも被害の多かったウイルスは「BADTRANS.B」であった』
  ■ 正 解:NO
  ■ 正解率:65.5%

 正解はNO。2002年上半期は、実は「KLEZ」の方が被害が多かった。情報処理振興事業協会セキュリティセンター(IPA/ISEC)の発表では、「W32/Klez」の被害が5,005件、「W32/Badtrans」が2,973件、「W32/Hybris」が615件であった。

 ◇コンピュータウイルスの届出状況について(IPA/ISEC)〜上半期の届出件数11569件!前年同時期の1.2倍〜
http://www.ipa.go.jp/security/txt/2002_07outline.html

 「BADTRANS.B」が発見されたのは2001年11月。同年4月に発見されたトロイの木馬型ウイルス「BADTRANS.A」の亜種で、InternetExplorerのセキュリティホールを利用し、メールの添付ファイルから感染するタイプのワームである。発見後、全世界で急速に感染被害が広まり、ベンダ各社が発表するウイルスレポートでもトップを独占していたが、KLEZが登場した2002年4月の時点で2位に後退した。以降、徐々に被害は減少し、2002年11月度のIPA/ISECのウイルス届出レポートでは44件となっている。

 KLEZの5,005件という数字は数多く出現した亜種も含めた数だが、実際にはこんなに違っていたのである。BADTRANS.Bの流行も記憶に新しいところであり、2,973件という数は決して少なくない。減少したとはいえ、相変わらず感染被害は報告されている。注意が必要ということに変わりはない。


【設問2】
 『4月に発見され被害が急増した大量メール送信型ワームは、数多く亜種が発生した「KLEZ」である』
  ■ 正 解:YES
  ■ 正解率:86.6%

 正解はYES。KLEZ.Aから始まり、KLEZ.B、KLEZ.Cと続き、最終的にKLEZ.Hまで登場した。この中で大きく被害を及ぼしたのが「KLEZ.A」、「KLEZ.E」および「KLEZ.H」である。KLEZ.A は、OutlookExpressではメールをプレビューしただけで感染し、Windowsのアドレス帳やローカルドライブ内にあるファイルのメールアドレスすべてに自身を添付したメールを送信するというワーム活動を行う。また、メールの差出人を詐称するため、感染者を特定することが難しい。KLEZ.E はシステムの日付が奇数月の6日に発病し、KLEZ.H はメール経由だけでなく、ネットワーク経由でのワーム活動も行う。2002年12月現在では、以前と比べて感染被害は減少傾向にあるが、それでもベンダ各社のレポートでは未だトップ3までに必ず登場している。


[ Prisoner Berbecue ]


  注)当クイズの正解は、2002年12月10日時点でのものです。

 次週は、以前出題した設問6〜10(2002年に起こったネットワーク事件)をピックアップし、解答、理由、正解率を述べて検証します。


(詳しくはScan Incident Reportをご覧ください)
http://shop.vagabond.co.jp/m-sir01.shtml
《ScanNetSecurity》

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