政策面でも大きな動きがありました。米国政府は、審査を受けた民間企業を政府の指揮・監督下で国外のサイバー犯罪組織に対する情報収集や妨害作戦へ参加させる新たな制度を打ち出しました。民間企業はこれまで脅威情報や技術を政府へ提供する役割が中心でしたが、今後は政府が統制するサイバー作戦の実行主体として関与する領域が広がる可能性があります。
先日、筆者の会社に「Top Cyber Threat Intelligence Services in APAC」にノミネートされたとの嬉しい連絡を頂きました。これも、常日頃から皆様にご支援いただいているおかげです。
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3 月の動向をまとめますと、国家アクターは「止めるべきもの」をよく理解している、ということを再認識させられた月と言えそうです。通信を握れば社会を揺さぶれます。認証を破れば組織を乗っ取れます。AI の判断をだませば、人間の意思決定を曲げられます。
3 月の動向をまとめますと、国家アクターは「止めるべきもの」をよく理解している、ということを再認識させられた月と言えそうです。通信を握れば社会を揺さぶれます。認証を破れば組織を乗っ取れます。AI の判断をだませば、人間の意思決定を曲げられます。
2 月には中国人民解放軍が、南シナ海の南沙諸島で中国が実効支配する永暑礁(ファイアリー・クロス礁)にサイバー空間部隊が駐屯していることを初めて公にしました。この海域には多くの海底ケーブルが通っています。そう考えると、情報封鎖戦は決して遠い話ではなく、日本にとっても現実的に警戒すべき戦術だと言えます。
1 月の脅威動向でもう一つ押さえるべきは、エンドポイント中心の侵入ではなく、クラウド基盤そのもの( Linux、コンテナ、Kubernetes )を長期支配するためのマルウェアフレームワーク「 VoidLink 」が報告された点です。チェック・ポイント・リサーチは「クラウドファーストの Linux マルウェア・フレームワーク」と位置づけ、ローダー、インプラント、ルートキット、30 超のプラグインから構成される高いモジュール性を報告しています。
まず、米ジェン・デジタル社は、ロシアの Gamaredon と北朝鮮の Lazarus が「共通のインフラ」を利用していることを指摘し、両者が協調した活動の可能性を報告しました。これらからは、中露朝における APT の関係性が、従来の地政学的同盟構造では整理しきれない段階に入り、協力と競合が折り重なりあう多層性を帯びていることが読み取れます。
まず、米ジェン・デジタル社は、ロシアの Gamaredon と北朝鮮の Lazarus が「共通のインフラ」を利用していることを指摘し、両者が協調した活動の可能性を報告しました。これらからは、中露朝における APT の関係性が、従来の地政学的同盟構造では整理しきれない段階に入り、協力と競合が折り重なりあう多層性を帯びていることが読み取れます。
AI を活用したサイバー脅威について、米シンクタンク「American Security Project(ASP)」は、報告書「Cloud of War」で、国家支援型サイバー攻撃に AI が急速に採用され、米国の重要インフラを脅かしていると警鐘を鳴らしています。エージェント型 AI は自律的な偵察や環境適応を可能にし、攻撃の質を一変させつつあるとし、ASP は AI 防御システムの導入やクラウドの法的保護強化などを提言しています。
重要インフラ関連システムの遠隔運用やデータ転送といったインフラ制御権を海外事業者に委ねることのリスクについては各国で警鐘が鳴らされています。チェコ国家サイバー情報安全庁(NÚKIB)は、チェコ国内の小規模太陽光発電所で使用される太陽光インバーターの95 ~ 99 %が中国製であることを指定し、このことが安全保障上の脅威となり得ると警告しています。同警告は、単なる注意喚起ではなく中国の法的環境と過去のサイバー攻撃事例を根拠とした脅威の公式認定として位置付けられるものです。
ノルウェー国家公安警察が 2024 年 4 月 7 日に西部ヴェストラン県ブレマンゲルのダムで発生した異常放流が、親ロシア系のハクティビストによる攻撃が原因であったことを公表しました。攻撃経路としては、Web 経由による制御パネルへの不正侵入であり、当該ハクティビストは、2024 年 6 月に日本政府がウクライナへの支援事業を継続するとの発表を受け、複数の日本組織に対して攻撃を実施しています。
NATO の CCDCOE が発表した報告書によると、世界貿易の約 8 割を担う主要な海上港湾インフラでは、ロシアやイラン、中国など APT グループやランサムウェアを悪用するサイバー犯罪集団、ハクティビストによる DDoS といった多様なサイバー脅威が確認されているといいます。こうした攻撃は、従来は独立していたアクセス制御システムや船舶交通管理システムといった運用技術(OT)が IT ネットワークと接続されたことで、古い制御機器にも深刻な脆弱性を生じさせたことが背景にあると指摘しています。
チェコ工科大学の Erika Langerová 氏が LinkedIn 上に投稿した調査報告が注目されます。当該調査では、公開された中国の学術論文を対象に大規模な調査を行い、西側(米欧)の電力網を大規模停電に導く最小コスト攻撃手法のシミュレーション研究が数百件に及ぶことを明らかにしています。これらの研究は純粋な学術目的を超え、Volt Typhoon や Salt Typhoon などによる現実の中国のサイバー攻撃から判明している点を組み合わせると、より事態は深刻になると指摘しています。
CoGUI は、少なくとも 2024 年 10 月頃から活動を展開していると見られています。Proofpoint 社は、観測された CoGUI キャンペーンには、同種のフィッシングキットで一般化しつつある多要素認証(MFA)に関する資格情報を取得する機能が含まれていないと指摘しており、同時に CoGUI が MFA 対応を試みている可能性も示唆しています。
Dragos 社は、オーストラリアの「重要インフラ安全保障法(SOCI 法)」に関する記事を投稿しています。筆者が注目した点は、同法が「食品・日用品供給事業者」や「データ保管・処理施設」を対象分野に含めている点です。
中国の生成 AI「DeepSeek」の登場は、生成 AI 市場における技術競争の激化を新たな段階へと押し上げました。同時に、この急速な進化は、AI 技術者を標的とした新たなサイバー攻撃が登場するなど、情報セキュリティにおける新たな脅威も浮き彫りにしています。
中国の生成 AI「DeepSeek」の登場は、生成 AI 市場における技術競争の激化を新たな段階へと押し上げました。同時に、この急速な進化は、AI 技術者を標的とした新たなサイバー攻撃が登場するなど、情報セキュリティにおける新たな脅威も浮き彫りにしています。
重要インフラへの DDoS 攻撃が相次ぎ、年始から混乱が生じました。今年は万博などの大規模イベントを控えており、サイバー領域に関する議論が絶えない状況が続くことが予想されます。諸外国による影響工作や、報道番組等での IT やセキュリティ業界では「未認知」の評論家やジャーナリストの発言に振り回されることなく、冷静かつ着実に対処していきましょう。
12 月 26 日、日本航空、三菱UFJ銀行、みずほ銀行をはじめとする複数の「重要インフラ」企業が大規模な DDoS 攻撃を受け、一時的なシステム障害が発生したことが報じられました。この出来事に接し、筆者はまず 2013 年に北朝鮮が韓国に対して行った大規模なサイバー攻撃事案を想起しました。
オープンソースの EDR 回避ツール「EDRSilencer」が攻撃に利用されていることが報告されています。この種のツールの多くは、レッドチームに携わるセキュリティ研究者が開発しており、EDRSilencer もセキュリティ愛好家の Chiris Au 氏が開発したものです。
オープンソースの EDR 回避ツール「EDRSilencer」が攻撃に利用されていることが報告されています。この種のツールの多くは、レッドチームに携わるセキュリティ研究者が開発しており、EDRSilencer もセキュリティ愛好家の Chiris Au 氏が開発したものです。
注目のインシデントとして、英国のロンドンの公共交通機関(Transport for London, TfL)に対するサイバー攻撃事件について報じられています。
脅威分析の報告として、デンマーク陸軍合同通信大隊とデンマーク王立国防大学の研究者が、オックスフォード大学出版局の Journal of Cybersecurity に、戦争におけるサイバー作戦の有効性が非常に限定的であると主張する論文を寄稿しています。
大規模インシデントして、ウクライナの CyberResistance によるインドのロシア製ミサイル防衛システムの情報リーク「BaumankaLeaks」が話題です。
注目の脆弱性に関してですが、Broadcom社 Symantec が、Black Bastaランサムウェアを運営する Cardinalサイバー犯罪グループ(Storm-1811、UNC4393)が、Windowsエラーレポートサービスの脆弱性(CVE-2024-26169)を 0-day として悪用していた可能性を報告しています。
注目のインシデント情報ですが、産経新聞が、太陽光発電施設の遠隔監視機器約 800 台がサイバー攻撃を受け、その一部がインターネットバンキングによる預金の不正送金に悪用されたことを報じました。この報道に対しての海外の反応は興味深く、想像力豊かなリスクシナリオ策定はぜひ見習いたいところです。
Microsoft Threat Analysis Center は、中国および北朝鮮の脅威アクターによる人工知能(AI)を活用した直近のサイバー活動を報告しています。いずれ中国や北朝鮮の脅威アクターは、中国製 AI を活用することでのサイバー活動にシフトし、「AI + セキュリティ」の活動は一般的になるとみられます。
興味深い研究発表として、イスラエル工科大学やコーネル工科大学などの研究者は、OpenAI の ChatGPT や Google の Gemini など、生成 AI を活用する AI アプリケーションを標的としたゼロクリックワーム「Morris II」を開発し、ユーザーの個人情報の窃取に成功したことを発表しました。
2 月は中国のセキュリティ企業である安洵信息技術有限公司(I-SOON)の社内情報が流出し、世間を賑わせました。同社は、中国の公安部、国家安全部、人民解放軍とも取引があり、APT への関与が指摘されています。
中東のレバノン共和国の首都であるベイルートのラフィク・ハリーリ国際空港のフライト情報表示システム(FIDS)がハッキングされたことが報じられました。空港の出発・到着スクリーンには、ヒズボラとその責任者であるハッサン・ナスララ師に向けた文字列が表示されたといいます。
ハマスとイスラエルの武力衝突に関連しても、興味深いニュースが報じられています。これは、親イスラエルのハッカーがイラン全土の約 7 割のガソリンスタンドの支払管理システムを停止したというものです。
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が今年夏頃に、サイバー攻撃を受け、Active Directory(AD)への侵害を通じて宇宙開発に関する機微情報が漏洩した可能性があることが報じられました。米中をはじめ、日本においても宇宙事業は国家安全保障戦略に含まれていることを勘案しますと、組織としてもう少し考えて行動すべきだったように思います。
希望者全員に、25 周年記念製作コーヒードリップバッグと ScanNetSecurity ロゴステッカーの記念ノベルティセットと、2021 年度に日本国内で発生した代表的情報漏えい事故を総覧できる「日本情報漏えい年鑑2023」をあわせて希望者全員に特典として提供します。
韓国警察庁は、韓国のデータ復旧会社の 5 人が、北朝鮮の Lazarus グループと共謀してランサムウェアを流布し、被害者 778 人から復旧費用として 34 億ウォン(約 3.7 億円)を奪ったとして拘束したことを発表しました。ランサムギャングと交渉し、高額費用を被害企業にふっかけるといった業者がいることはたびたび噂になっていましたが、本件は当初より共謀していており、興味深い事案といえます。
Volexity 社が EvilBamboo として追跡する脅威アクターが、モバイルデバイスを標的としたマルウェアを悪用し、中国が国内の脅威とする「五毒」を標的としている可能性を指摘しています。
今月は、社会情勢に紐付いた攻撃が多く見られました。これは、米韓や米台の軍事演習のタイミングにおいても観測されており、その標的には日本も含まれているとみられます。
米国のシンクタンクである民主主義防衛財団が、米国がパートナー国のサイバー防衛能力を強化するための取り組みについて提言をしたレポート「サイバー・オペレーションのためのパートナー能力の構築」を発表しました
脆弱性に関してですが、米 Apple 社は iPhone、iPad へも影響のある複数のゼロデイ脆弱性を公開しています。これらの脆弱性は、Triangulation マルウェアにより悪用されていることが Kaspersky 社により報告されています。
新たな攻撃グループの活動として、Broadcom 社 Symantec が、未認知の APT グループ「Lancefly」が、南・東南アジアの組織を標的とした活動を行っていることを報告しています。本攻撃は、技術的な観点においては APT41 との関連性が疑われています。
脅威動向として、中国を拠点とする攻撃グループによる韓国・台湾への攻撃は継続しており、日本も含まれていると推察されます。その一部は、1 年以上も発見されていなかった可能性があり、近年のサイバー攻撃被害の検出が困難化していることが窺えます。
3 月の注目の脅威動向についてですが、北朝鮮の Lazarus が 3CX 社のビデオ会議ソフトウェアを悪用してソフトウェアサプライチェーン攻撃を実施していた可能性が報告されています。
3 月は中国で全人代が開催されます。軍備増強と併せ、サイバー面では AI に関連した発言があるかもしれませんので、本大会は要注目です。
注目の脅威情報としては、FBI が、昨年 6 月に発覚した仮想通貨のブリッジングサービス「Harmony Horizon Bridge」から、総額 135 億円相当の仮想通貨が流出した事案において、北朝鮮の APT グループ「Lazarus」が仮想通貨の窃取に関与していたと発表しています。
2022 年も既知の脅威グループと技術的側面でのリンクの無い攻撃活動が散見されており、特定国家が実施するサイバー攻撃活動に関与するハッカーが確実に増加している可能性がありそうです。
注目のセキュリティ関連のガイドラインが幾つか公開されています。
米国中間選挙を前に、サイバー攻撃や影響工作に対する注意喚起の発出や、分析レポートが発表されています。
米国の NGO 団体であるフリーダム・ハウスは、中国のメディア影響力を調査した「Beijing’s Global Media Influence 2022」を公開しています。
ランサムウェアの脅威の増大は、クラウドで管理されるインフラストラクチャとアプリケーションの依存度が高まっていると指摘しています。これは、まさに同感で、その(有効な)対応ソリューションも検討し直す時期に来ているとうことなのでしょう。
海外の気になるインシデントとして、韓国のタクシー会社「コルタクシー」のシステム運用会社がランサムウェアの被害に遭い、韓国の 30 以上の都市や地方自治体で影響が出たことが報じられています。
あからさまに失礼なその男のもの言いに岩井博樹(いわい ひろき)は腹を立てたが、しばらくすると怒りより「なぜこの人はこんなことを言うのだろう」という疑問が生じ、それが株式会社サイントを岩井が創業する重要なきっかけのひとつになった。
今月は、30 日に中国で超大型の情報流出事件の可能性が指摘されています。これは、ChinaDan を名乗るハッカーが、流出情報売買サイトにおいて、上海市の警察当局のデータベースから窃取したとする約 10 億人分のデータを売りに出した事件です。
防衛研究所が「ウクライナ戦争の衝撃」を刊行しています。この書籍は、PDF で無償配布されています。ウクライナ戦争を通じて、各国の立ち位置や課題を整理するには良書かと思います。
中国の APT グループによるロシアに対しての攻撃も報告されています。第 56 ブラゴベシチェンスキー赤旗国境警備分遣隊や、この地域に詳しい関係者や軍人が標的である可能性が指摘されていますので、ロシア連邦軍に関連した情報収集とみた方が良さそうです。
ウクライナに関連したサイバー関連は多数報じられていますが、軍事的な面で注目なのは、いわゆる「鉄道戦争」と呼称されるベラルーシ鉄道システムへのハッキングや列車の走行妨害です。
連日、報道の続くウクライナ情勢ですが、ウクライナの IT 軍「 IT ARMY OF UKRAINE 」とロシアのサイバー軍の活動も非常に活発です。
北京冬季オリンピックの開催前ということもあり、同大会の公式アプリ「 MY2022 」の脆弱性やプライバシーにおける問題が取り沙汰されており、新疆ウイグルやチベットなどの国内問題や中国政府への非難などの政治的な話題が検閲対象との見方が強いです。
2021 年 12 月は、Apache Log4j の重大な脆弱性である「 Log4Shell 」( CVE-2021-44228, CVE-2021-45046, CVE-2021-44832 )が大きな話題となりました。
11 月は、中国の APT グループによるものとみられるサイバー活動が ASEAN 地域や日本国内で観測されています。南シナ海情勢に関連した動きとみられ、主に安全保障に関連した諜報活動の一環とみられます。
米国商務省産業安全保障局( BIS )は、悪意のあるサイバー活動に使用される可能性のある特定の品目の輸出、再輸出、または(国内での)移転に関する規制を定めた規則(暫定版)を発表しました。
隣国の中国では、9月より複数のセキュリティに関連した法律が施行されています。注目されるのは、「ネットワーク製品のセキュリティ脆弱性管理に関する規定」や「重要情報インフラセキュリティ保護条例」でしょう。
8 月はタリバンがアフガニスタン首都を制圧したことが記憶に新しいニュースです。今回の事案に関連していると噂される中国は、昨年 12 月に国家安全部の関係者が、タリバン内の最強硬派「ハッカニ・ネットワーク」と接触していたことが報じられています。