「まあ、ワンタイムアタッカーは利用しない以外の防御方法がないとまで言われるいやなソフトだからなあ」 工藤はうなずく。
インターネット広告代理店の大手サイバーフジシンに、ふたりの男が到着した。ひとりは工藤、もうひとりは真田と名乗った。ふたりは受付をすませると、無駄に豪華な応接スペースを眺めた。ここがワンタイムアタッカーの餌食になった会社だ。
「あのさ。やっぱり無理だと思うんだけどな」 「え? 工藤さんがそんなこと言うなんて、どうしちゃったんですか! できるに決まっているじゃないですか」
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