サイバーリーズン合同会社は8月28日、「セキュリティ成熟度ベンチマーク診断」の結果を発表した。あわせて、同社グローバルSOC(GSOC)が国内顧客企業の環境で観測した2026年上半期のインシデント分析結果を発表している。
「セキュリティ成熟度ベンチマーク診断」は、米国国立標準技術研究所(NIST)の「サイバーセキュリティフレームワーク(CSF)2.0」を評価軸として、企業の担当者自身が設問に回答することで、「統治」「特定」「防御」「検知」「対応」「復旧」の6機能ごとの対策状況を5段階のレベルで数値化するもので、2025年10月25日から2026年8月6日に国内405社を対象として実施している。
同調査の結果によると、異常の発生を特定するための適切な活動が行われているかを示す「検知(DETECT)」のスコアは平均2.86、情報を保護するための適切な防御策ができているかを示す「防御(PROTECT)」は平均2.56となった。その一方で、自社の公開資産やアタックサーフェスを把握できているかを示す「特定(IDENTIFY)」は平均1.99にとどまり、6機能のなかで最も低い水準であった。
同社では、調査結果から「EDRや次世代アンチウイルスを入れて守っているつもり」でありながら、守るべき対象そのものを把握できていないという逆転構造が浮かび上がるとし、攻撃者にとっては、企業が認識していない資産こそが最も攻撃しやすい入口となると指摘している。
インシデント発生時の対応態勢については、全体の半数を超える51.6%が、基本的な対策は実施しているものの、手動や属人的な運用にとどまる「レベル2(属人化)」に滞留している実態が明らかとなり、検知されたインシデントに対してアクションを取る「対応(RESPOND)」のスコアは平均2.04、その後回復力を維持して機能を修復する「復旧(RECOVER)」は平均2.16と低い結果であった。同結果を踏まえ、各企業で定石の製品は導入したものの、全社共通の運用手順定義やインシデント訓練が行われていない状態だと推測している。
また、同社のGSOCが2026年1月から7月にかけて、MDRを提供する国内企業の環境で観測したインシデントについて根本原因を分析した結果、「EDRを導入済みでありながら、一部のEDR未導入端末が攻撃された」ケースと「外部公開サーバの脆弱性を突かれた」ケースがそれぞれ25.0%と、最も多い侵入要因となっていた。
サイバーリーズン 執行役員 セールス・エンジニアリング統括本部の有賀正和氏は「405社の診断データが示したのは、日本企業のセキュリティが「ツール導入の問題」から「組織とプロセスの問題」へ移行したという事実です。検知が2.86、防御が2.56である一方、特定は1.99にとどまりました。守る道具は揃えたが、守るべき対象を把握できていないという非対称な状態にあります。」とコメントしている。
