CODE BLUE には、たとえ既に海外で公開された既知の情報であり、国際的に知られているものであったとしても、それでもまだ日本で講演してもらう価値が充分あると判断したものは、論文審査を通過させるレビューボードの方針がある。
オレンジ・ツァイ氏の講演は今年の Black Hat USA 2021 の話題をさらった講演のひとつだが、CODE BLUE でも講演するのは、レビューボードのメンバーが極めて重要であると判断したということを語っている。講演の概要には「このアタック・サーフェスの美しさとわれわれの独創的な攻撃手法を明らかにする」と記載されている。ここでくわしくは書かないがセキュリティの先端領域には美があるのだ。
今年の CODE BLUE はハイブリッド開催で、ほとんど全ての公演がオンラインで配信されるが、会場参加の安くはないチケットを持つ者だけが参加できる「クローズドセッション」が「『けしからん』パネルディスカッション」である。完全会場限定で、配信はもちろんアーカイブもされない。
CODE BLUE 2021 配信チケットは 2 日間通しで 8,000 円。本イベントの価値と意味がわかる人にとってはタダ同然の金額であるから、応援のメッセージも込めて全国から参加しよう。
問題はフィジカル参加のチケットで、たとえば 国際会議の Black Hat USA は、入場料が 2 日間で約 25 万円、このような海外カンファレンスと比較すれば、同水準の内容が 98,000 円で聞けるというのは、非常にリーズナブルな設定なのだが、しかし、この額を「別に高くない」と思うことができるのは、本誌編集長上野などごく限られた人物に限られるだろう。