コロナ禍なのにあえてドイツに行ってみた<実施編> | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

コロナ禍なのにあえてドイツに行ってみた<実施編>

<実施編>では体験レポ風に実際の手順は遭遇した問題、その対処方法などを紹介する。

特集
成田・シンガポール便はガラガラ
  • 成田・シンガポール便はガラガラ
  • ホーフガルテン・ミュンヘン
  • 成田エクスプレスも始発はガラガラ
  • 出発時の成田空港:パラリンピック最終日前日なので、帰国選手団や関係者が多かった
  • 空港おじさんのテンプレ写真1
  • 空港おじさんのテンプレ写真2
  • B787やA320などはマップ画面が豊富
  • チャンギ国際空港の乗り継ぎ待機ロビー。いちおう検疫隔離
 前回<計画編>では、コロナ禍での海外出張(ドイツモーターショー:IAAモビリティ2021 取材)に必要な手続きや書類について情報を整理した。どちらかというとマニュアル的な内容だったが、<実施編>では体験レポ風に実際の手順と遭遇した問題、その対処方法などを紹介する。

●まずはプレス登録と旅程、それに検疫情報の調査から

 ことの発端は、運良く大手町の大規模接種が予約できたこと。当時ワクチン接種が日本より進んでいた欧米各国では、2 回のワクチン接種証明( Full Vaccination Certificate )書があれば飲食やイベント参加など制限が緩む動きが広がっていた。無謀にも「ならば、海外取材が再開できるのでは?」と考えからというのは前回の記事で説明した。

 まず、取材対象である IAA のホームページをチェックしジャーナリストとして取材申請を出してみた。もちろん現在はすべて Web 申請だが、すんなり通りプレスパスをゲット。次に考えたのは航空券と宿の手配。格安航空券の比較サイトなどは普通に稼働していたので、予約状況をチェック。大イベントの前後はこれらが取りにくいのが常だが、今回は空席ありの状態。会場近くの宿は、通常なら期間中 2 倍から 3 倍のレート。そもそも開催 1 か月前では空室がみつからない。しかし、今回は料金は 1.5 ~ 2 倍以下。空室も普通に見つかる。

●格安航空券のポイント

 この時点で、予約は直前でもとれそうと判断し、どんな便があるか、どのあたりの宿が使えそうか情報だけ集めた。候補は往路が成田発シンガポール航空、復路が羽田着ターキッシュ航空。どちらも乗り継ぎは 1 回(往路:チャンギ国際空港、復路:イスタンブール国際空港)。ホテルのセットプランも調べたが、会場近くで目星をつけていた宿とセットになったプランがなかったので、宿は別手配とした。

 なお、格安航空券でも闇雲に最安値を選ばないのもポイントだ。今回のように入出国などでリスク要因がある場合(書類不備、現地検査での陽性、感染状況の変化など)、最低限、チケットのキャンセル保証や再予約保証がついたものがよい。破格の航空券は、仮に航空会社の事情による欠航や遅延でもキャンセルや変更ができない(新たにチケットを買い直す)ものもある。

 次に調べたのは、コロナ関連で必要な各国の手続き。8 月半ばにはワクチン証明書が届いていた。ドイツはこれで入国可能なはずだが、ねんのため出発前に PCR 検査も受けることにした。空港やホテルのチェックインで「証明書ではだめだ」と言われたときの保険だ。

●家族の説得も重要

 ホテルの外国人の受け入れ状況、現地の感染状況などを調べて、最終的に行けると判断して航空券などの手配に入る。が、ここでの最大の難関は、じつは家族の説得だった。妻君は感染リスクから原則反対。大学生の息子の 2 回めのワクチン接種が帰国後なので、帰国後の自主隔離も自宅は避けてほしいと通告された。ミュンヘンの感染状況(日本より安定している)を説明し、帰国後のホテル隔離も手配し、若干押し切る形で航空券をポチった(すまない)。なお、都内および近郊のビジネスホテルは、自主隔離用の長期滞在プランを用意している。1 泊 2500 円の簡易宿泊プランから 14 日間で 10 万円前後のビジネスプランなどさまざまだ。

 たしかに純粋な取材なら、現在オンラインでもかなりの情報が得られる。モーターショーでワールドプレミアの写真やスペックなら、むしろメーカーのリリースページのほうが詳しいこともある。リスクとコストをかけて現地取材する意味はないといえばない。しかし、今回の目的は現地の技術動向の取材でもある。ワクチン接種が進むにつれて、日本の感染状況が変わり渡航制限や検疫が緩和される可能性もあるので、備える意味もある。また、あえて人が行かないところの情報は取材していく価値が高い、という本音もあった。

●コロナ禍で成田アクセスは悪い

 その後、病院の PCR 検査を受け、陰性証明書を出発前日に受け取り成田に向かう。飛行機は 10 時 30 分の出発。チェックインやコロナ関係の出国手続きでトラブルがあったときのことを考え、チェックインが可能になる 3 時間前に成田に着くようにした。が、普段使う最寄り駅からのリムジンバスはコロナ禍による全便運休。自家用車かタクシー以外、鉄道を乗り継いで成田に行く必要がある。なお、成田エクスプレスや京成スカイライナーなどの成田便は朝夕以外すべて運休( 9 月頭現在)だった。コロナ禍では、通常交通機関の運行状況のチェックも欠かせない。
《中尾 真二( Shinji Nakao )》

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