Microsoft Windows の win32k.sys において管理者権限の奪取が可能となる境界外書き込みの脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity
2024.04.25(木)

Microsoft Windows の win32k.sys において管理者権限の奪取が可能となる境界外書き込みの脆弱性(Scan Tech Report)

2021 年 2 月に Windows で管理者権限の奪取が可能となる脆弱性が報告されています。

脆弱性と脅威 エクスプロイト
◆概要
 2021 年 2 月に Windows で管理者権限の奪取が可能となる脆弱性が報告されています。脆弱性の悪用により、侵入に成功した Windows OS の全権限が奪取されてしまいます。セキュリティ更新プログラムの適用により対策してください。

◆分析者コメント
 当該脆弱性は 2020 年の 12 月に観測された APT 活動で悪用されたゼロデイの脆弱性とされています(関連情報 [2])。幅広いバージョンの Windows OS が影響を受けるため、マルウェアの感染などによりホストを攻撃者に乗っ取られてしまった場合は、当該脆弱性を悪用して管理者権限の奪取を試みる可能性が高いと考えられます。2021 年 2 月に Microsoft が公式にセキュリティ更新プログラムを配信しているため、適用により対策してください。

◆深刻度(CVSS)
[CVSS v3.1]
7.8

https://nvd.nist.gov/vuln-metrics/cvss/v3-calculator?name=CVE-2021-1732&vector=AV:L/AC:L/PR:L/UI:N/S:U/C:H/I:H/A:H&version=3.1&source=NIST

◆影響を受けるソフトウェア
 以下のバージョンの Microsoft Windows が当該脆弱性の影響を受けます。

- Microsoft Windows 10, Version 1803
- Microsoft Windows 10, Version 1809
- Microsoft Windows 10, Version 1909
- Microsoft Windows 10, Version 2004
- Microsoft Windows 10, Version 20H2
- Microsoft Windows Server, 2016
- Microsoft Windows Server, 2019
- Microsoft Windows Server, Version 1903
- Microsoft Windows Server, Version 1910
- Microsoft Windows Server, Version 2004
- Microsoft Windows Server, Version 20H2

※ Microsoft Windows 10, Version 1903 は脆弱性の影響を受けないとされており、本記事の検証でも Microsoft Windows 10, Version 1903 での脆弱性の悪用には成功しませんでした。

◆解説
 Microsoft Windows に、カーネル空間での境界外書き込みが可能となる脆弱性が報告されています。
《株式会社ラック デジタルペンテスト部》

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