2020年1月、医療ISAC 代表理事 深津博氏は、中国の医師仲間から新型コロナウイルス(COVID-19)についての注意喚起と情報交換のメールを受けた。しかし、その中にはタイプミスと思われる単語がいくつか含まれていたという。
送信者の医師が、当局によるAI 検閲をパスするためメールに「virus」や「pneumonia(肺炎)」といった単語にわざと記号を挿入したりしていたからだ。
深津氏による医療ISACの取り組みを紹介する講演(Security Days Tokyo 2020)は、そんなエピソードから始まった。深津氏は、情報統制はこのような弊害を生み、正しい情報共有を妨げ、リスクコントロールを台無しにするという。
医療ISACは、リアルなウイルスや伝染病ではなく、医療分野での情報共有を脅かすマルウェアやサイバー攻撃の情報共有やインシデント対応支援を行う。本稿では深津代表理事の講演から、医療ISACの国際動向や日本での成り立ちにはじまり、医療分野のサイバー攻撃の特徴、医療分野で多いセキュリティインシデントと国内事例、今後の課題などの概略をまとめる。
送信者の医師が、当局によるAI 検閲をパスするためメールに「virus」や「pneumonia(肺炎)」といった単語にわざと記号を挿入したりしていたからだ。
深津氏による医療ISACの取り組みを紹介する講演(Security Days Tokyo 2020)は、そんなエピソードから始まった。深津氏は、情報統制はこのような弊害を生み、正しい情報共有を妨げ、リスクコントロールを台無しにするという。
医療ISACは、リアルなウイルスや伝染病ではなく、医療分野での情報共有を脅かすマルウェアやサイバー攻撃の情報共有やインシデント対応支援を行う。本稿では深津代表理事の講演から、医療ISACの国際動向や日本での成り立ちにはじまり、医療分野のサイバー攻撃の特徴、医療分野で多いセキュリティインシデントと国内事例、今後の課題などの概略をまとめる。