独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)および一般社団法人 JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は1月29日、Microsoft社が提供する「Microsoft Exchange」にサーバの管理者権限を取得される脆弱性が存在すると「Japan Vulnerability Notes(JVN)」で発表した。CVSS v3によるBase Scoreは8.8。「Microsoft Exchange 2013 およびそれ以降」は、HTTPを介したNTLM認証でNTLM SignフラグおよびSealフラグが設定されていない。署名が行われていないためNTLM認証データを中継することによる攻撃が可能となる脆弱性が存在する。Microsoft Exchangeは、初期設定においてActive Directoryドメイン内のオブジェクトに対し大きな権限を持つ。また、Exchange Windows PermissionsグループにはオブジェクトへのWriteDacl権限が許可されている。このことから、本脆弱性を悪用してExchangeサーバの権限を取得されることで、さらにDomain Admin権限を取得される可能性がある。これにより、Exchangeのメールボックスアカウントを持ち、ExchangeサーバおよびWindowsドメインコントローラと通信できるユーザにより、ドメインの管理者権限を取得される可能性がある。なお、Exchangeメールボックスアカウントのパスワードを知らなくても、Exchangeサーバと同じセグメントに接続していればNTLM認証データを中継する攻撃は可能であると報告されている。現時点で対策方法は公開されておらず、JVNでは、「EWS サブスクリプション機能を無効にする」「Exchange がドメイン内のオブジェクトに対して持つ権限を削除する」といったワークアラウンドを検討するよう呼びかけている。
Microsoft Windows において computerDefault.exe の実装不備を悪用して UAC による制限を回避可能となる手法(Scan Tech Report)2019.1.29 Tue 8:30
Adobe Flash Player において Use-After-Free の脆弱性により遠隔から任意のコードが実行されてしまう脆弱性(Scan Tech Report)2019.1.10 Thu 8:30