独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)は11月30日、「情報システムの障害状況 2018年前半データ」を公開した。同データは、社会に影響を与え全国紙等に報道された情報システムの障害情報について半年ごとに取りまとめているもの。発表によると、2018年1月から6月の間に情報システムの障害は35件報道された。2017年は年間の月平均件数が約4件だったのに対し、2018年前半は6件近く、相変わらず障害の発生は高い水準にあるとしている。6月26日には、みずほ証券でネットワーク装置の誤設定による障害が原因で、2日半にわたるシステム停止が発生した。また同27日には、認証のためのワンタイムパスワードシステムの不具合で、複数の銀行システムが半日以上停止している。このほか、金融機関の経営統合に伴うシステム障害など11件が確認されている。医療分野では、病院の電子カルテシステムの障害が3件発生した。システムの不具合が原因で、個人情報が漏えいした事例では、IPAにおいてITパスポート試験の受付システムの障害により発生している。また、就職支援サイトの不具合で、本来送るべき求職者へのメールが別の求職者に届くという事例も発生した。発表ではこのほか、仮想通貨に関わるシステムの安全性についても言及し、セキュリティ事故や安全性、信頼性など顧客資産の安全確保の観点から注視していく必要があるとしている。