スロバキアのESET社とキヤノンITソリューションズ株式会社(キヤノンITS)は9月13日、合弁会社イーセットジャパン株式会社を設立、9月1日より業務を開始したと発表した。カントリーマネージャーには黒田宏也氏が就任した。ESET社の創業者のひとりであり、取締役役員であるミロスラヴ・トゥルンカ氏は、もうひとりの創業者であるピーター・パスコ氏と1987年に原子力発電所でウイルスを発見したことがきっかけで、ウイルス対策ソフト「NOD32」を開発、1992年にESET社を設立した。「東京に拠点を置くことは30年来の夢であり、誇りに思う」と述べた。ESET社の取締役役員であるアントン・ザヤッツ氏は、「ドイツの展示会でAVGのCEOと会う約束をしていたが来なかったため、キヤノンITSの人と会い、わずか2時間で代理店の契約を結んだ」と当時を振り返った。ESET社のCEOであるリチャード・マルコ氏はESETについて、「過去30年の努力の結果、世界200カ国以上、6億以上のデバイスでESETが使用されている。日本はESETの22番目の拠点となり、新たなそして大きなステップになる」と述べた。またESETは20年間成長を続けており、2017年には5億4千万ドルの売上を記録している。さらに、今後のESET製品のエコシステムについて説明し、現在は4位である日本でのシェアを3位に引き上げ、さらに上を目指すとした。キヤノンITSの代表取締役社長である足立正親氏は、ESET製品の性能の高さと、キヤノンITSの提案およびサポート力によって、高い顧客満足を実現していると述べ、イーセットジャパンとの連携によって包括的なセキュリティソリューション・サービスを迅速に提供するとした。イーセットジャパンのカントリーマネージャーである黒田宏也氏は、日本における展開プランを紹介。すでに中堅企業におけるシェアは10%を超えており、今後は製品開発の体制強化と大企業向けの新ソリューションの導入、セキュリティ情報発信、ブランドマーケティングの強化によって、ブランドとシェアを向上するとした。具体的には、1年目はリソースと体制の確立、1~2年目には新ソリューションの導入、3~5年目には年2桁の売上成長を実現し、日本でトップ3のベンダになるとした。エンタープライズソリューションについては、キヤノンITSの執行役員でありITインフラセキュリティ事業部長である近藤伸也氏が説明した。2018年末には、クライアント&サーバ保護製品「ESET ENDPOINT PROTECTION」、および統合管理製品「ESET SECURITY MANAGEMENT CENTER」を提供開始、2019年上半期にはクラウド型サンドボックス「ESET DYNAMIC THREAT DEFENCE」、2019年内には脅威インテリジェンス製品「ESET THREAT INTELLIGENCE」、EDR製品「ESET ENTERPRISE INSPECTOR」を提供するとロードマップを示した。また、プロフェッショナルサービス強化のため、高度セキュリティエンジニアを育成中であるとした。