MSF日本では、社内バックオフィス業務・人事・財務管理等々を主にオンプレミスのシステムで運用している。担当者は、活動をささえる寄付金をより多く現地での活動にあてられるよう、常にITシステムの安定的な運用をできるだけ低コストで行うことを意識して業務を行う。民間企業でも当然コスト圧縮の要請はあるが、MSFのコスト削減は現地の医療援助の質や量に直接影響する。そうした事情からMSF日本は、企業からの寄付の形でサービス提供を受ける「プロボノ契約(提供企業側は寄付金控除対象となるなどのメリットが存在)」によって、3年前からフルマネージドホスティングサービスを活用し、MSF日本の公式サイトの運営を行ってきた。プロボノでフルマネージドホスティングサービスを提供しているのは、データセンターからスタートし、現在はセキュリティ事業を含む広範なサービスを提供するNHN テコラス株式会社である。「事務局運営のコストを最低限に抑え、より多くのお金を活動に回したい我々にとって、団体を理解いただいた上で非常に有用な支援をいただいている(IT担当者)」MSFは、「医療従事者になってからMSFを志す」のではなく、「MSFで働くために医師や看護師を志す」例も存在するようなNGO組織だ。今回取材に応じてくれたITスタッフは、15年間の民間企業での実務経験を持つ技術者で、たまたま、日本事務局の情報システム系の人材募集を見つけ、やりがいがありそうな仕事だと思ったという。「ここで働くことは世界の医療援助とつながっており、利益のためではない誰かのためになっているという満足感を感じる」と、(何度かの質問の後に)非常に控えめに言葉を選んだ。MSF日本の役割として重要なのが資金調達だ。MSFのグローバルの活動資金の95%以上が個人など民間からの寄付によって賄われている。オンラインでの寄付の仕組みも準備されており、オンラインの寄付金は増加傾向にある。
Microsoft のボットネットキラーが語る「サイバー詐欺師が次に狙う金鉱は病院のデータベースだ」~あなたの医療ファイルには高値がついている(The Register)2014.3.11 Tue 8:30