株式会社Doctor Web Pacific(Dr.WEB)は8月14日、危険なWord文書が添付されたメールが定期的に配信されているとして、注意を呼びかけている。これは、同社のアンチウイルスソフトが検出した悪意のあるプログラムの統計から明らかになったもの。この危険なWord文書は「W97M.DownLoader.507」と呼ばれるマルウェアで、W97M.DownLoaderファミリーに属している。8月の初めには、メールによって拡散されるすべてのウイルスおよびトロイの木馬のうち1%を占めていたという。
Doctor Webセキュリティリサーチャーによって解析されたサンプルでは、メールで送られるFAX通知を装っていた。ただし、サイバー犯罪者は作成日に誤った日付を指定するというミスを犯している。ファイル自体はRSAを用いて暗号化されていると考えら、メール受信者に対してメッセージの内容を読むためにマクロを有効にするよう促される。マクロを有効にすることで、白紙のように見えるファイルに文字が表示されるが、実際にはテキストを白で記載している。マクロを有効にすると、W97M.DownLoader.507はバンキングトロイの木馬「Trojan.Dyre.553」をダウンロードし、実行する。
《吉澤 亨史( Kouji Yoshizawa )》