株式会社ラックは7月13日、同社のセキュリティ監視センター「JSOC」によるセキュリティレポート「JSOC INSIGHT vol.8」を公開した。レポートは二部構成となっており、第1部は2015年1月から3月に検知したサイバー攻撃などで発生した事案「セキュリティインシデント」において、重要なトピックとして「JBoss Application Serverの脆弱性を悪用する新たな攻撃」「phpMoAdmin におけるコード実行の脆弱性(ゼロデイ)を悪用する攻撃を検知」「インターネットバンキングの不正送金を狙うマルウェアダウンローダ UPATRE/DYREの通信を検知」についてそれぞれ解説している。第2部は2014年度1年間にJSOCが対応したインシデントの傾向を分析したレポートとなっている。これによると、2014年度のインターネットからの攻撃による重要インシデントは過去3年間で最多の発生件数となった。また、2013年度までの攻撃対象は主にWebアプリケーションの脆弱性であり、ミドルウェアについては「ApacheStruts」など特定のもののみが狙われていた。しかし、2014年度に脆弱性の存在が公開されたミドルウェアは、複数のサービスや製品で利用されていたため影響範囲が広く、攻撃対象が多岐にわたり、また対策が行き届きにくいことが特徴となっている。このような脆弱性の公開は2015年度以降も続くものと予想している。