独立行政法人 情報処理推進機構(IPA)および一般社団法人 JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は6月17日、Retrospect社が提供する、ネットワーク経由でバックアップを行うためのソフトウェア「Retrospect Backup Client」に強度が不十分なパスワードハッシュを生成する脆弱性が存在すると「Japan Vulnerability Notes(JVN)」で発表した。CVSSによる最大Base Scoreは7.9。「Retrospect Backup Client 10.0.2 より前のバージョン(Windows 版、Linux 版)」および「Retrospect Backup Client 12.0.2 より前のバージョン(Macintosh 版)」には、ハッシュの生成時にパスワードを完全に使用しないため、高い確率で他のパスワードと衝突する弱いハッシュ値を生成する脆弱性(CVE-2015-2864)が存在する。この脆弱性が悪用されると、攻撃者に正しいパスワードを推測され、ユーザのバックアップデータにアクセスされる可能性がある。JVNでは、開発者が提供する情報をもとに最新版へのアップデートを適用するよう呼びかけている。