この競技では、あらかじめ「聞き出す情報」が指定されている。職場のカフェテリアに設置されるベンディングマシンや運送業者に関する質問から、利用している OS の種類、そのバージョン、Wi-Fi 利用の有無、アンチウイルスソフトの種類など。それらはソーシャルエンジニアが次の一手を決める重要な情報となるため、内容も幅広い。
※黒バッジ…DEF CON の各種コンテストに優勝した者だけが得られるバッジ。所有者は永久に無料で DEF CON に参加できる。数万人規模の来場者がいる中、毎年ほんのわずかな人数しか手に入れることができないため、極めてレア。ちなみにSECTFの主催者であるChris氏も、毎年評判の高い講師ということで会期中に受賞が行われた。
「僕が攻撃する L 社(住宅リフォームや家電等を扱う大手米国チェーン)のことを調べてみたら、ハワイにも支店があることが分かった。いま、ちょうどハワイを大きなハリケーンが直撃してる。だから、ハワイ支店の様子を真剣に尋ねるリサーチの人間を装おうと決めた。ソーシャルエンジニアリングっていうのは、俳優の仕事みたいだなと思ったね。あとは、『はい/いいえ』で答えられるような質問を増やして、怪しまれる時間を与えないようにしたよ」