トレンドマイクロ株式会社は8月21日、「2013年上半期 国内における持続的標的型攻撃の分析レポート」を公開した。これによると、侵入時の攻撃が成功した後、内部のネットワーク探索や目的の情報を窃取するための活動において、調査対象20社すべての攻撃で主にシステム管理者が用いる正規ツール(遠隔管理ツール「PSEXEC」、ファイル消去ツール「SDelete」など)を利用し攻撃を「隠蔽」する傾向がみられた。また、感染したバックドアと外部のC&Cサーバとの通信において、独自プロトコルを利用した通信が前年同期比約1.8倍の47%に増加した。さらに、侵入時においては、2013年上半期に見つかった一太郎の脆弱性を狙うゼロデイ攻撃や、日本語のファイル名(貴社の製品故障について、取材依頼書、打ち合わせ議事録、緊急地震速報訓練の協力についてなど)を用いて標的を騙す攻撃を確認している。レポートでは、こういった侵入時活動、侵入後の内部活動ツール、内部活動の実態の詳細を紹介しているほか、これらの活動に着目した対策として、「内部活動の存在の検知」「侵入を前提としたシステム設計」「攻撃者心理に着目した対策」を挙げ、詳細に解説している。