SSH Tectia Server に SSH のパスワード認証を回避可能な脆弱性が報告されました。
リモートの第三者に利用された場合、管理者権限でシステムに不正にアクセスされ、システムを完全に制御される可能性があります。
この脆弱性は、0-Day エクスプロイトとして Kingcope 氏が 2012/12/1 にメーリングリスト (Full Disclosure など) に投稿し、SSH Communications Security が 2012/12/5 にアドバイザリと共に解消バージョンの SSH Tectia Server を公開した問題となります。
脆弱性の悪用は容易であり、また悪用された場合の影響度が高いため、影響を受けるバージョンの SSH Tectia Server でパスワード認証を利用するユーザは可能な限り以下の対策を実施することを推奨します。
2.深刻度(CVSS)
9.3
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2012-5975&vector=%28AV%3AN/AC%3AM/Au%3AN/C%3AC/I%3AC/A%3AC%29
3.影響を受けるソフトウェア ※
SSH Tectia Server 6.0.19 以前
SSH Tectia Server 6.1.12 以前
SSH Tectia Server 6.2.5 以前
SSH Tectia Server 6.3.2 以前
※1 Linux/UNIX プラットフォームのみ影響を受けます。Windows および z/OSプラットフォームの SSH Tectia Server は、この脆弱性の影響を受けません。
4.解説
SSH Tectia Server には、ユーザのパスワード変更機能である SSH USERAUTH CHANGE REQUEST ルーチンの実装に不備があります。
このため、SSH2_MSG_USERAUTH_PASSWD_CHANGEREQ リクエストを介してパスワード変更処理を不適切に呼び出すことで、パスワード認証を回避可能な脆弱性が存在します。
この脆弱性を利用することで、リモートの攻撃者は、root ユーザとしてパスワードを使わずに、標的システムにアクセスし、システムを完全に制御することが可能となります。
なお、Linux/UNIX プラットフォームの SSH Tectia Server においてパスワード認証を利用する環境のみが、この脆弱性の影響を受けます。キーボードインタラクティブ認証、GSSAPI、あるいは公開鍵認証を利用する環境では、この脆弱性の影響を受けません。
5.対策
以下の Web サイトより、下記のバージョンの SSH Tectia Server を入手し、アップデートすることで、この脆弱性を解消することが可能です。
* SSH Tectia Server 6.0.20 以降 ※2
* SSH Tectia Server 6.1.13 以降 ※2
* SSH Tectia Server 6.2.6 以降
* SSH Tectia Server 6.3.3 以降
Customer Download Center:
https://downloads.ssh.com/
または、以下の Web サイトを参考に設定ファイル (ssh-server-config.xml) 内の
Full Disclosure 2012/Dec/64
http://seclists.org/fulldisclosure/2012/Dec/64
あるいは、送信元の IP アドレスを制限することでも、この脆弱性による影響を緩和することが可能です。
※2 SSH Tectia Server 6.0.x/6.1.x は、既に SSH Communications Securityによる通常サポートが終了しており、当該バージョンは長期サポート (LTS) リリースでの対応となっています。
6.ソースコード
(Web非公開)
(執筆:株式会社ラック サイバー脅威分析センター)
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Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html