一般社団法人 JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は10月25日、2012年1月から3月、および4月から6月における「インターネット定点観測レポート」を公開した。本レポートは、インターネット上に複数のセンサーを分散配置し、不特定多数に向けて発信されるパケットを継続的に収集、宛先ポート番号や送信元地域ごとに分類したものを、脆弱性情報、マルウェアや攻撃ツールの情報などの情報を参考に分析したもの。1月から3月においては、Windowsや、サーバ上で動作するプログラムが使用する445/TCPや1433/TCP宛へのパケットが多く観測された。また、UNIX/ Linuxのリモートアクセスで広く使われている23/TCP宛のパケット数に大きな増減が見られた。これはVoIPアダプタやWebカメラなどのネットワーク機器がマルウェアに感染し、外部へパケットを送信していると思われる。4月から6月においては、3389/TCP宛へのパケットの観測数がマルウェア「Morto」とその亜種に関する情報公開日前後で変動が見られた。センサーの3389/TCP宛にパケットを送信したIPアドレス上で、未知のマルウェアがスキャン活動をしていた事例も確認されている。