1.概要ISC DHCP には、特定のクライアント識別子を含む DHCP メッセージを処理した場合に、サービス運用妨害 (DoS) が発生する脆弱性が存在します。DHCP サービスを利用する悪意あるユーザに利用された場合、CPU リソースを大量消費させ、DHCP サーバまたはシステムの正常な動作を妨害する可能性があります。脆弱性を悪用された場合の影響度が高いため、影響を受けるバージョンの ISC DHCP を利用するユーザは可能な限り以下の対策を実施することを推奨します。2.深刻度(CVSS)6.1http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2012-3571&vector=%28AV%3AA/AC%3AL/Au%3AN/C%3AN/I%3AN/A%3AC%293.影響を受けるソフトウェア ※ISC DHCP 4.1.2-P1 以前 ※1ISC DHCP 4.1-ESV-R5 以前ISC DHCP 4.2.4 以前※1 ISC DHCP 4.1.x は、既に 2011/1 でサポート終了となっています。また、同様にサポートが終了している DHCP 3.0.x/4.0.x においては、この脆弱性の影響を受けるか、未検証であることが、isc.org より報告されています。※2 影響を受けるバージョンの ISC DHCP パッケージが含まれる、Linux ディストリビューションにおいても、この脆弱性の影響を受ける可能性があります。4.解説ISC DHCP には、DHCPv4/DHCPv6 メッセージに含まれるクライアント識別子の取り扱いに不備があるため、クライアント識別子長が 0 の当該メッセージを処理した場合、dhcpd が無限ループに陥り、大量の CPU リソースを消費してしまう脆弱性が存在します。この脆弱性を利用することで DHCP サービスを利用可能な攻撃者は、dhcpd が稼動するシステムのパフォーマンスを低下させ、DHCP サービスまたはシステムをサービス不能状態にする可能性があります。なお、既にサポートが終了している DHCP 4.1.0 - 4.1.1-P1 において、この脆弱性が悪用された場合、dhcpd が無限ループに陥いるのではなく、異常終了してしまう可能性があることが、isc.org より報告されています。5.対策以下の Web サイトより DHCP 4.1-ESV-R6/4.2.4-P1 以降を入手しアップデートすることで、この脆弱性を解消することが可能です。DHCP 4.1-ESV-R6/4.2.4-P1https://www.isc.org/software/dhcpDHCP 4.1-ESV-R6 Release Noteshttps://kb.isc.org/article/AA-00735/0/DHCP-4.1-ESV-R6-Release-Notes.htmlDHCP 4.2.4-P1 Release Noteshttps://kb.isc.org/article/AA-00736/0/DHCP-4.2.4-P1-Release-Notes.html6.ソースコード(Web非公開)(執筆:株式会社ラック サイバー脅威分析センター)※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。Scan Tech Reporthttp://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html