Adobe Flash Player の配列インデックスの処理に起因するメモリ領域破壊の脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.12.14(木)

Adobe Flash Player の配列インデックスの処理に起因するメモリ領域破壊の脆弱性(Scan Tech Report)

脆弱性と脅威 エクスプロイト

1.概要
Adobe Flash Player にメモリ領域が破壊される脆弱性が報告されました。
ユーザが悪質な SWF ファイルを利用する Web ページを閲覧した場合、リモートの第三者によってシステム上で不正な操作が実行される可能性があります。
この脆弱性は、昨年に報告された少し古い問題 (APSB11-18) となりますが、脆弱性を悪用する攻撃が数多く確認されており、攻撃を受ける可能性が高いことが考えられるため、影響を受けるバージョンの Flash Player を利用するユーザは可能な限り以下に記載する対策を実施することを推奨します。


2.深刻度(CVSS)
10.0
http://nvd.nist.gov/cvss.cfm?version=2&name=CVE-2011-2110&vector=%28AV%3AN/AC%3AL/Au%3AN/C%3AC/I%3AC/A%3AC%29


3.影響を受けるソフトウェア
Adobe Flash Player 10.3.181.23 for Linux 以前
Adobe Flash Player 10.3.181.23 for Macintosh 以前
Adobe Flash Player 10.3.181.23 for Solaris 以前
Adobe Flash Player 10.3.181.23 for Windows 以前
Adobe Flash Player 10.3.181.23 for Android 以前

※Google Chrome に同梱される Flash Player もこの脆弱性の影響を受けます。


4.解説
Adobe Flash Player には、ActionScript 3.0 で記述された Flash ファイル (SWF) を実行可能な仮想マシン Adobe ActionScript Virtual Machine (AVM2) が実装されています。この AVM2 の JIT (Just-In-Time) コンパイラが SWF ファイル内のバイトコードをネイティブコードに変換します。

Adobe Flash Player には、AVM2 によるコード変換処理の実装に不備があるため、SWF ファイルを処理する際に配列インデックスに不適切な値を使用してしまい、結果として、意図しないメモリ領域を参照してしまう脆弱性が存在します。

この脆弱性を利用することで、リモートの攻撃者は Flash Player をクラッシュさせる、あるいは Flash Player を実行するユーザの権限で任意のコード実行が可能となります。

なお、Adobe Systems を含め IBM, Microsoft などによれば、この脆弱性を悪用した標的型メール攻撃やドライブバイダウンロード攻撃が行われていることを確認していると報告しています。

Tokyo SOC Report Adobe Flash Playerの脆弱性を悪用する攻撃の増加を確認
https://www-304.ibm.com/connections/blogs/tokyo-soc/entry/flash_20110726
Websense CVE-2011-2110 for Adobe Flash Player being exploited in the wild
http://community.websense.com/blogs/securitylabs/archive/2011/06/17/cve-2011-2110-for-adobe-flash-player-being-exploited-in-the-wild.aspx
Threat Research & Response Blog A Technical Analysis on the Exploit for CVE-2011-2110 Adobe Flash Player Vulnerability
http://blogs.technet.com/b/mmpc/archive/2011/07/01/a-technical-analysis-on-the-exploit-for-cve-2011-2110-adobe-flash-player-vulnerability.aspx


5.対策
以下の Web サイトを参考に、下記のバージョンの Adobe Flash Player にアップデートすることで、この脆弱性を解消することが可能です。
あるいは、Adobe Flash Player 11.x にバージョンアップすることでも、脆弱性を解消することが可能です。

Adobe Flash Player 10.3.181.26 for Linux 以降
Adobe Flash Player 10.3.181.26 for Macintosh 以降
Adobe Flash Player 10.3.181.26 for Solaris 以降
Adobe Flash Player 10.3.181.26 for Windows 以降
Adobe Flash Player 10.3.181.24 for Android 以降

Adobe セキュリティ情報 APSB11-18
http://kb2.adobe.com/jp/cps/907/cpsid_90799.html


6.ソースコード
(Web非公開)

(執筆:株式会社ラック サイバー脅威分析センター

※Web非公開該当コンテンツ閲覧をご希望の方はScan Tech Reportにご登録(有料)下さい。

Scan Tech Report
http://scan.netsecurity.ne.jp/archives/51916302.html

《吉澤 亨史》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

Scan BASIC 会員限定記事

もっと見る

Scan BASIC 会員限定記事特集をもっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)

もっと見る

[Web小説] サイバー探偵 工藤伸治の事件簿サーガ (シーズン 1~6 第1話)特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

脆弱性と脅威 カテゴリの人気記事 MONTHLY ランキング

  1. OSSのデータ収集ツール「Fluentd」に任意コマンド実行などの脆弱性(JVN)

    OSSのデータ収集ツール「Fluentd」に任意コマンド実行などの脆弱性(JVN)

  2. 送信者を偽装できる脆弱性「Mailsploit」に注意、メールソフト別対応状況一覧(JPCERT/CC)

    送信者を偽装できる脆弱性「Mailsploit」に注意、メールソフト別対応状況一覧(JPCERT/CC)

  3. 「Microsoft Office 数式エディタ」に任意コード実行の脆弱性(JVN)

    「Microsoft Office 数式エディタ」に任意コード実行の脆弱性(JVN)

  4. 8以降のWindowsに、特定のメモリアドレスのコードを悪用される脆弱性(JVN)

  5. Microsoft .NET Framework における WSDL パーサでの値検証不備により遠隔から任意のコードが実行可能となる脆弱性(Scan Tech Report)

  6. AIや機械学習による自動化がさまざまなサイバー攻撃に活用、2018年予想(フォーティネット)

  7. GNU wget に HTTP プロトコルのハンドリングにおける値検証不備に起因するバッファオーバーフローの脆弱性(Scan Tech Report)

  8. パケット解析ツール「Packetbeat」にDoS攻撃を受ける脆弱性(JVN)

  9. Microsoft Office の数式エディタにおけるバッファオーバーフローの脆弱性(Scan Tech Report)

  10. 脆弱性体験学習ツール「AppGoat」の集合教育向け手引書と解説資料を公開(IPA)

全カテゴリランキング

特集

★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★
<b>★★Scan PREMIUM 会員限定コンテンツにフルアクセスが可能となります★★</b>

経営課題としてサイバーセキュリティに取り組む情報システム部門や、研究・開発・経営企画に携わる方へ向けた、創刊19年のセキュリティ情報サービス Scan PREMIUM を、貴社の事業リスク低減のためにご活用ください。

×