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2017.08.24(木)

個人から生まれるビッグデータはどこへ向かうのか、位置情報とプライバシー

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スマートフォンのGPSなどから収集される位置情報のビジネス活用と、プライバシー保護を考えるセミナー「位置情報とプライバシー~最新技術動向と今後の展望」が3月1日、一般財団法人日本情報経済社会推進協会(JIPDEC)の主催で開催された。

●位置情報の経済価値を算定

JIPDEC 常務理事 兼谷明男氏の挨拶と、同 電子情報利活用推進部次長 坂下哲也氏によるセミナー概要説明後、株式会社KDDI総研 取締役主席研究員 高崎晴夫氏が登壇し、「情報財~パーソナル情報の経済的価値について」と題した講演を行った。

マッキンゼー社が発表した2011年のレポート「Big data: The next frontier for innovation, competition, and productivity」によれば、個人の位置情報の利活用によりグローバルで年間50兆円の潜在市場があるという。高崎氏はこのレポートに言及し「(位置情報)自体がマネーである」と語り、市場と産業形成を推進するために2010年から取り組んでいる、位置情報の価値評価指標策定について発表を行った。価値評価は、データを無形資産と捉え生産関数を用いて算定するマクロ経済学的アプローチと、データに対しての支払意志額をヒアリングすることで算定するミクロ経済学的アプローチの大きくふたつの考え方で行われている。適切な価値算定に成功すれば今後、新しいサービスや既存サービスを向上させるために、位置情報に紐付いた趣味趣向や購買履歴などを企業が対価を払って利用する、データマーケットプレイスが誕生する可能性があると結んだ。

●プライバシー維持のための技術

ビッグデータの利活用は経済活動に有用であることは論を待たないが、個人の位置情報などに基づいたデータの場合、そのプライバシー保護が心配である。つづく、日本電信電話株式会社 情報流通プラットフォーム研究所 情報セキュリティプロジェクト プロジェクトマネージャ 高橋克巳氏によるセッション「プライバシー保護技術の最新動向」では、匿名化、攪乱再構築、秘密計算、リアルタイム匿名化などの、プライバシー保護技術の最新状況について説明が行われ、NTTが日本成人白血病治療共同研究グループと共同で実施し2月に発表した、医療統計処理における秘密計算技術の活用実証を紹介した。

●二子玉地区での実証実験

次に、東京急行電鉄株式会社 都市生活創造本部事業統括部 企画開発部 福島啓吾氏が、同社が二子玉川地区において実施した、個人の位置情報を活用したエリア特化型の街回遊支援サービス「ニコトコ」について報告を行った。ニコトコは行動履歴を蓄積・解析することで、利用者向けにカスタマイズした情報を提供し、商店主に新しい顧客勧誘の機会を提供するサービスで2011年からサービス提供されている。福島氏は、今後の同種サービスの発展可能性として、店舗単位や店舗の棚単位まで及ぶ測位精度の向上や、感情や脈拍などの情報のより直接的な把握などを挙げ、一方課題として、ユーザーが安心して利用できる情報セキュリティの確保を挙げた。
《ScanNetSecurity》

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