クラッキング集団の中には、特別な主張を持つ「ハクティビスト」というものもある。ソニーへの攻撃で有名なアノニマスがそうだ(編集部註:「ソニーの情報漏えい事件で我々は何を学ぶか (1) 事件の背景にある様々なハッカーの存在」記載の「C-type:ネット市民運動」参照)。
これに対して LulzSec は、愉快の追求が目的。愉快なことしようぜ、とファンに呼びかけ(彼らのファンは世界中にたくさんいるらしい)、動画をアップし、ツイッターで活動報告し冗談を飛ばす。徹底した愉快犯といえるだろう。
今週火曜日からは攻撃対象の電話注文受付を開始した。次のクラッキングターゲットのリクエストを受けつけ、まるで宅配ピザのように、電話すればご注文に応じてサイトをつぶしに行くという。
注文を受け取ると彼らは「challenge accepted」と返答する。
電話番号は、614-LulzSec(614-585-9732)もしくは732-993-7703
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しかし、多数の電話が殺到して対応しきれなかったため、彼らは、かかってきた電話を転送するという暴挙に出た。転送先への電話版DDos攻撃である。
最初の餌食になったのは、magnets.com という磁石用品のカスタマーサポートセンター、次は World of Warcraft カスタマーサポートセンター、さらにその次は FBI デトロイトだ。
HBGary も電話のターゲットになった。HBGary は、アノニマスにクラッキングされたセキュリティベンダーとして有名な会社だ。大量のメールを公開されて恥をかかされ、さらにくるしい言い訳をして恥の上塗りをしてしまった。
こうした活動は逐一ツイッター上で報告されおり、フォローするとリアルタイムで情報を入手できる。ゲーム産業の読者はフォローしておくとよいと思う。そのうちライバル会社や自分の会社の名前が出てくる可能性は低くないだろう。
http://twitter.com/LulzSec
なお、彼らは留守番電話に残ったメッセージを You Tube で公開しており、下記で聞くことができる。
http://www.youtube.com/watch?v=3doUCaaUp5k
どこまでも人をおちょくっている。
※重要な注意
本記事に含まれる電話番号、URLにアクセスした場合、あなた自身が危険にさらされたり、犯罪に荷担したとみなされたりする可能性があります。十分にご注意ください
(一田和樹)
一田和樹著/原書房刊「檻の中の少女」
http://www.amazon.co.jp/gp/product/456204697X/