米国では医療機関での個人情報取扱は、2003年に成立したHIPAA(The Health Insurance Portability and Accountability Act )法で情報の機密性の確保や、脅威への対策、情報開示に対する保護などを定め、厳しく取り締まっている。しかし、漏えい事件は後を絶たない。Holy Cross Hospitalの事件が発覚した11月だけでも、米国では医療関連機関の漏えい事件が多数報じられている。
-11月19日 ミズーリ州の歯科医が患者情報の入ったノートパソコンを盗まれる。
-11月15日 オクラホマ州のOklahoma Veterans Affairs Medical Centerの職員が患者の情報の入った検査所の日誌の数ページが足りないのに気づく。センターでは誤ってシュレッダー処理をしたのではないかと考えだ。
-11月15日 ミシガンのHenry Ford Health Systemで従業員のノートパソコンが9月24日に盗難に遭っていたことが明らかにされた。1997年から2008年に前立腺治療を受けた患者の情報が入っていた。
-11月14日カリフォルニアのNorthridge Hospital Medical Centerで2004年9月から2006年6月までセンターを利用した患者の情報が漏えいした可能性があると明らかに。宅配業者を通じて送付していたパッケージの破損が原因で、患者の氏名や住所、電話番号、社会保険番号、生年月日、金融機関や保険の情報、退院時の記録などが含まれていた。
2010年11月Ponemon Instituteが患者のプライバシーとデータセキュリティに関するベンチマーク調査の結果、『Benchmark Study on Patient Privacy and Data Security』を発表している。発表に際して、Ponemonの創立者Dr Larry Ponemonがブログで