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2017.08.18(金)

海外における個人情報流出事件とその対応 第229回 狙われる給与業務委託(2)「カネがある」給与業務が新たなターゲット

国際 海外情報

●給与業務はハッカーの新しいターゲット
最近、中小企業のビジネスバンキングが、ハッカーに攻撃されることが増えているのは、多くのセキュリティ企業が指摘してきた。業務における業者への支払いなどで、オンラインバンキングを使用するが、マルウェアに感染したシステムから、犯罪者宛てに不正送金が行われるというものだ。

しかし、McMillanは、給与支払い処理の会社や、そのシステムが、新たに危険に晒されているという考えだ。記事の中で、「コンピュータにハッキングして、不正な銀行送金を行うことで、数百万ドルを盗もうとする犯罪者が新しいターゲットを見つけたかもしれない」と書いている。

そして1930年代、大恐慌時代に“活躍”した伝説的な銀行強盗ウィリー・サットンの言葉、「(銀行を狙ったのは、)そこにカネがあるから」を引用して、サットンが現在、生きていたら、他にも選択肢があっただろうとしている。選択肢の一つが、給与業務システムや、業務のアウトソーシングを提供する会社だ。オンラインバンキングシステムと同様、支払いに用いられることから、「カネがある」と犯罪者がみなしているようだという。調べてみると、McMillanの言うとおり、確かに給与業務の会社で数件の事件が報告されている。

たとえば、漏えい件数、1億3000万件と、2008年に世間を騒がせた、史上最悪規模の事件があったHeartland Payment Systemsだ。『Privacy Law Blog』においてScott J. Carpenterが、2007年12月に、まず給与支払いシステムのネットワークが攻撃を受けたとしている。そこから、被害が広がったようだが、あまりにも大規模な漏えい事件となったため、最初の給与支払いネットワークへの攻撃は大きく取り上げられなかった。

ほかにも2009年9月には、給与支払い処理サービスの米国最大手、PayChoiceの顧客が、攻撃を受けた。まず、PayChoice顧客が、ウェブブラウザプラグインをダウンロードするよう求めるe-mailを受信した。これは、ユーザ名やパスワードを盗み出そうとするものだった。さらに問題視されたのは、e-mailにそれぞれの顧客名が表示されていたこと、それから、PayChoiceにおけるサービス、onlineemployer.comのユーザ名と、サイトへのパスワードの一部も含まれていたためだ。すなわち、犯人は、PayChoiceの顧客の情報にアクセスしていたと考えられた。

続いて約2週間後には、給与支払い対象が不正に改ざんされて、無関係の社員4人が勝手に加えられていた。幸いにも、支払い前に明らかになったが、気付かなければ、不正アカウントに、“給与”が支払われるところだった。

また、今回問題になっている、Ceridianでも、去る2月にハッカーが2万7000人分の情報を盗み出していたことが明らかになっている。今回とは異なり、Ceridianのソフトウェアに問題があった。

Ceridianの発表では、2009年12月22日から23日の間に、何者かが、同社システムにハッキングして、1900社から2万7000人の情報を盗み出した。ハッカーが不正に獲得したのは、これら被害者全員の氏名と社会保険番号、一部については生年月日や銀行口座番号だ。

事件を報じた2月5日付けの『Star Tribune』によると、被害者の一人、Todd AshtonはCeridianを使用していた会社を10年ほど前に退職していた。しかし、ソフトウェア上の問題により、

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(バンクーバー新報 西川桂子)
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