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2018.06.26(火)

海外における個人情報流出事件とその対応第220回 スイス銀行300年の秘匿主義に終止符?(2)不正に入手した情報で脱税者を告発

国際 海外情報

●不正に入手した情報で脱税者を告発
HSBCでは2009年12月9日、被害を受けたのは最も裕福な顧客で、その数は最初の報道どおり10人未満のみと発表していた。スイスのプライベートバンクは、各国の王侯貴族をはじめ、世界の富裕層を顧客に持つことで知られている。

今回の事件で注目されているのは、押収されたコンピュータのデータを、脱税者の告発にフランスが利用しようとしていることもある。スイス当局は盗難に関する調査の協力をフランスに求めた。フランス警察はFalcianiの逮捕に協力したが、同時にその際に得た情報を用いて、スイスの口座で脱税していたフランス人を検挙しようとしたというものだ。

フランスの被害者数は、2009年12月10日に『Le Figaro』紙が、約4,000人と報じた。フランスのEric Woerth大臣は、秘密口座を持っていたフランス人は約3,000人と語っている。4,000人全員が脱税行為を行っていたのではなかったようだ。

スイスのニュースを配信するサイト、『swissinfo.ch』では、被害者のリストには、コロンビアとイタリアの顧客の名前も含まれていたと伝えている。そして、犯罪組織により不正に得た利益も含まれている可能性があるという。英国の『Telegraph』は Falcianiはドイツ政府にもデータを売ろうとしていたと報じている。

●岐路に立つスイスの銀行の秘匿主義
多くの国にとって、海外口座を利用しての脱税の取り締まりは頭の痛い問題だ。特にスイスの銀行は厳格な秘匿・守秘性で知られていて、口座所有者の情報を開示しないことから、不正蓄財や脱税に悪用されてきた。

今回のような情報漏えい事件が起こり、他国の警察が顧客の重要なデータを入手することは、データを悪用して、口座から資金を盗み出す以上に、スイスの銀行にとっては大きな問題ともいえるだろう。同様の事態が今年1月にも報じられている。

事件はスイスの金融機関から何者かが情報を盗み出して、ドイツの捜査機関に販売しようとしたものだ。『BBC』の報道によると犯人はデータに対して250万ユーロの価格をつけていたようだ。

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(バンクーバー新報 西川桂子)
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