スパム業者とメールマガジンASPの関係(3) | ScanNetSecurity[国内最大級のサイバーセキュリティ専門ポータルサイト]
2017.11.19(日)

スパム業者とメールマガジンASPの関係(3)

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 メールマガジンASP業者の中には、事実上スパム配信を容認し、スパム業者の温床になっているところがある。そこで本論では、スパムメールとメールマガジンASP業者との関係を洗い出し、問題点を整理してみる。

●メールマガジンASP創生期はスパム天国

 そもそも創生期においてメールマガジンASPは、いくらでもスパム配信サービスとして利用可能であった。現在では考えられないが、スパム業者にとっては垂涎の下記のような特徴があった。

1.メールアドレスを一回入力するだけで購読登録できた
 ご存知のように、現在のメールマガジンは、ダブルオプトイン=登録にあたって2回確認を求める方法 が主流になっている。当時は、メールアドレスを1回入力しただけで、購読登録することができた。もちろん、スパムは別だが。

2.発行者がメールアドレスを見ることができた
 現在の無料メールマガジンASPは、発行者はアドレスを見ることができない。しかし昔は、購読者のアドレスを見ることができた。なので、発行者は、別なメールマガジンで収集したアドレスを他のメールマガジンに登録することができた。当時は、それを悪いことだという認識もなくやっていた者も珍しくなかった。

 ちなみに、発行者の登録はきわめて簡単で、適当な個人情報を登録すれば、メールマガジンを発行できた。メールマガジンを発行しさえすれば、登録アドレスを入手できたのである。今から考えると天国のようなサービスだったといえる。

3.配信の承認の基準が不明瞭だったので、適当にアドレス収集して登録できた 名刺交換でもらった名刺のメールアドレスを勝手に自社のメールマガジンに登録するのはまだいい方で、Webサイトを巡回して関係ありそうなアドレスを見つけて勝手に登録することも当たり前に行われていた。

 今では立派に違法であるが、ビジネスでメールマガジンを発行していた人は多かれ少なかれやっていたのではないだろうか?

 といった具合で、創生期のメールマガジンASPはスパム天国だった。

 なにしろ、メールマガジンASPの運営主体自身が、勝手に購読者や発行者へのお知らせの種類を増やして無許可で送りつけてきたし、週刊だったものを勝手に毎日送るようにするし、やりたい放題だったのである。こんなことをしている業者に、スパムを配信しないように取り締まるなどという発想があるわけがなかった。

 もちろん、真面目にちゃんとメールマガジンを発行する会社や個人も多かったが、その一方では、このようにわが国独自のメールマガジンASPスパムが続々とできていったのである。

●エスタブリッシュを目指す業者となんでもアリを続ける業者

 2000年前後にサイバーエージェントのメルマ、INACSのE-Magazineなどの新しいメールマガジンASPが相次いで登場した。ネットバブルの波にのって、雨後のたけのこのように、無料メールマガジンASP、有料メールマガジンASPが誕生した。

 当初はなんでもアリだった業界も、2003年頃から個人情報という言葉の意味を理解できるようになってきた。ここで、まぐまぐのように、エスタブリッシュされた世界を目指して体制を整えてゆく業者と、なんでもアリを続ける業者に分かれてきたのではないかと思う。

 まぐまぐやメルマは前者だったが、もちろん多くの業者の中には後者もあった。これは親会社や関連会社が上場していたりとか、社会的に有名なとこだったりといった要因で分かれたのではないだろうか。

 筆者の個人的な意見を言うと、コンビーズの方には申し訳ないが、やっている内容からして後者としか思えない。自覚なしにやっているとしたら、それはそれでとても怖い。とりあえずコンビーズはISMSやPマークなんかとってるヒマがあったら、「コンビーズからのすべてのマガジンを停止し、今後も購読登録できないようにする」というサービスをはじめて欲しい。もちろん、無料で。筆者もすぐに登録する。でも、それで釣られて別なスパムが来たらいやだなー。

●メールマガジンASPの問題点

 こうしたメールマガジンASPからのスパムを見分ける方法は、非常に簡単である。ヘッダにメールマガジンASPに関する情報が、だいたい含まれているので、それをフィルタリングすれば、振り分けることが可能である。業者の数は限られているので、設定も簡単だ。

 問題は、同じメールマガジン配信業者から必要なマガジンが配信されている場合である。この場合は、マガジンごとに個別の設定が必要となる。それにしても、それほど大変なことではないだろう。なので、他のスパムに比べると比較的対処は簡単である。

 ただし、問題はスパム業者側にとっても、とても簡単だということである。自分で送信サーバを立ち上げたり、ボットネットを構築する手間は全くいらない。メールマガジンASPに申し込むだけですむ。もっともお手軽な方法だといえるだろう。

 ちなみに、コンビーズの場合の申し込み手順は…

【執筆:Prisoner Langley】

【関連記事】
スパム業者とメールマガジンASPの関係(1)
https://www.netsecurity.ne.jp/3_13046.html
スパム業者とメールマガジンASPの関係(2)
https://www.netsecurity.ne.jp/3_13071.html

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