〜迷惑メールの規制を強化した「改正特定電子メール法」が成立 半年後の施行を控え、その改正点の詳細について正しい理解を〜社会問題ともなっている迷惑メールの送信に関する罰則規定などが強化された改正特定電子メール法「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案」が、2005年5月13日、参議院で全会一致で可決され成立した。5月20日に公布され、公布後半年以内、つまり、今秋までには施行されることになる。社団法人日本インターネットプロバイダー協会では、改正特定電子メール法の成立を受け、その内容の理解を深めるための勉強会を開催した。何がどう変わったのか、EC事業者が電子メールを利用する際の新たな注意点はどこにあるのか? 詳細を報告する。●悪質化・巧妙化・高度化する迷惑メールの被害を減少させるのが目的 迷惑メール送信者に対し厳しい罰則規定を設けた改正特定電子メール法インターネットに接続可能な機能を搭載した携帯電話の爆発的な普及にともなって、携帯電話利用者の同意を得ずに広告や宣伝、出会い系サイトへの勧誘などを目的とした電子メールを日々、大量に送りつけてくる「迷惑メール問題」は、現在も社会問題のひとつともされている。ただし、このような状況は、今に始まったことではない。2002年には「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」(特定電子メール法)が制定されたほか、NTTドコモやKDDIなどの携帯電話サービス事業者も、それぞれ企業努力として個別の迷惑メール対策を打ち出してきた。法制度の整備と通信事業者による対応などで、迷惑メールを減らす取り組みが展開されてきたのである。そのような状況の中、このほど改正特定電子メール法「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律の一部を改正する法律案」(改正特定電子メール法)が公布された。総務省によれば、2002年の特定電子メール法の制定時から「3年後の見直しや改正は決められていた」という。つまり、今回の特定電子メール法の改正は「予定路線にのっとった」法改正ではあるが、この3年間の間に迷惑メールを巡る状況が変化してきていることも、当然、改正の背景にあることは否定できない。そのことは、今回の特定電子メール法の改正の趣旨をみてもわかるだろう。「迷惑メール対策について近年における送信の悪質化及び巧妙化の状況にかんがみ、特定電子メールの範囲の拡大や架空アドレス宛の送信の禁止等について規程の整備を行うとともに、罰則規定を整備する等の改正を行う」となっている。すなわち、出会い系サイトの勧誘、アダルトDVDの広告・宣伝などの迷惑メールを利用して、アクセスしただけで会員登録が終了したことを告げ、会費や登録費用などを請求するといった悪質・巧妙な迷惑メール関連事件が頻繁に起きたことを受け、法改正に踏み切ったとも考えられるのである。そのため、法改正の方向性は、当然ながら「厳罰化」である。このほど社団法人日本インターネットプロバイダー協会によって開催された改正特定電子メール法の勉強会では、総務省総合情報通基盤局事業政策課の課長補佐の景山忠史氏が、法改正の趣旨、具体的な改正点の詳細について解説した。【執筆:下玉利 尚明】──この記事には続きがあります。全文はScan Security Management本誌をご覧ください。http://www.ns-research.jp/cgi-bin/ct/p.cgi?ssm01_ssmd