以前の記事「BIMI でメール開封率が 39 %増加し、ユーザーをフィッシングから守ることができるという美味しい話」では、メールの信頼性を向上させる技術である BIMI (ビミ)をご紹介しました。
その BIMI の中核をなしているのが、ロゴの正当性を示す証明書なのですが、デジサート・ジャパンは 2024 年 12 月、これまで BIMI で利用していた VMC(Verified Mark Certificate, 認証マーク証明書)に加えて、CMC(Common Mark Certificate, コモンマーク証明書)の取り扱いを開始しました。
デジサート、コモンマーク証明書を提供開始
TwoFive でも同様に取り扱いを開始しつつ、自分たちの所有するロゴマークやアイコンを使って、CMC の発行をしてみましたので、手続きや VMC と CMC の違いなどをご紹介したいと思います。

●VMC と CMC とで違うこと①ロゴマーク認証
VMC は、ロゴマークが商標登録済み(Registered Trademark)または政府の公認マーク(Government Mark)であることが必要です。あなたの組織が VMC を取得しようと考えた時に、まずはそのロゴマークが商標登録されているか社内で確認することになります。これは、VMC の場合には認証局がロゴマークとその組織が一致するかどうかを、商標登録情報をもとにして確かめるためです。
一方で、CMC は、商標として登録されていないロゴの認証も可能となっています。特許庁への商標登録は申請してから数ヶ月 ~ 1 年といった長い期間を要するため、短期間での BIMI対応を検討する場合の代替手段となります。この場合には認証局がアーカイブ Web ページ Archive.org でロゴの使用(数なくとも 12ヶ月以上)を確かめることになります。この形式を Prior Use[UH1] と呼びます。 [UH1]特許用語、「先使用」の意。
●VMC と CMC とで違うこと②ロゴマークの加工
VMC は、商標登録されたロゴマークを加工することはできません。商標登録を申請する際には、BIMI表示に適した形であることを注意してください。もしかしたら、既存の商標登録済みのロゴマークが横長(アイコン部分と組織名の部分が横並び)の場合もあるかもしれません。このようなケースに対応するのが CMC の Modified Registered Trademark と呼ばれるパターンです。商標登録されたロゴマークがアイコンと組織名を含む場合に、それらの配置を変えることができます。上記のような横長な商標についても、BIMI に適した正方形に加工することができるのです。ただし、配置は変更できますが、アイコン部分または組織名部分を削除するような加工は認められません。

●VMC と CMC とで違うこと③ロゴマークの表示
BIMI表示に対応しているメールサービスの一つとして Gmail が有名です。CMC については Gmail が公式にサポートするアナウンスを出していますが、VMC とは一部の表示に違いがあります。VMC の場合には、ロゴマークの表示に加えて、青いチェックマークも表示されますが、CMC の場合は、ロゴマークのみの表示です。Gmail以外のメールサービスでは、どのような表示の違いがあるかは確認できていませんが、将来的には Gmail と同様の差異が出てくると予想されます。

TwoFive では、現在 VMC および CMC いずれの証明書も販売しており、日本国内の数多くの企業・組織に対して BIMI への対応をご支援しています。BIMI や DMARC に関する詳しい情報やお問い合わせは、以下のフォームからご連絡ください。