AI セキュリティの指針「AI TRiSM」とは? ガードナー氏講演 | ScanNetSecurity
2024.04.28(日)

AI セキュリティの指針「AI TRiSM」とは? ガードナー氏講演

 ガートナー シニアディレクター・アナリストのデール・ガードナー氏は、業務への AI 活用におけるセキュリティ戦略として「AI TRiSM」を提唱している。AI TRiSM とは何か?

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ガートナー シニアディレクター・アナリストのデール・ガードナー氏
  • ガートナー シニアディレクター・アナリストのデール・ガードナー氏
  • 3 桁以上の AI モデルを活用している企業はすでに 70 %超え
  • 注目先端技術でも AI がトップ
  • AI 関連のインシデントは内部犯行が半分以上
  • ディープフェイク動画は AI 利用攻撃のひとつ
  • ステガノグラフや視角を利用した攻撃
  • クエリのブラックボックス攻撃
  • モデルが解析できればホワイトボックス攻撃も可能

 数百から数千個の AI モデルを適用・展開している組織はすでに 70 %を超えているという(ガートナー調査)。そして AI 自体が攻撃ベクターのひとつになっていることも論を待たないだろう。AI に対するセキュリティ、信頼性の担保は企業活動をも左右する時代だ。

ガートナー シニアディレクター・アナリストのデール・ガーナー(Dale Gardner)氏は、業務への AI 活用におけるセキュリティ戦略として「AI TRiSM」を提唱している。AI TRiSM とは何か。「ガートナー セキュリティ&リスクマネジメントサミット2023」の氏の講演内容からその考え方と概要を整理する。

● AI 活用で CISO が考えるべきポイント


 過熱気味のムーブメントにも押され、マイナーなインシデントや AI との関連が薄いものまで AI のリスクとして報道される面があるものの、AI リスクは現実的なものとなっている。顔認証のミス、AI を利用したディープフェイク、AI の不適切利用、雇用機会への影響、著作権や剽窃に関する議論は各所で見聞きする。

「 100 以上の AI をデプロイしている企業が 73 %に達している。AI、分散クラウド、SASE、エッジコンピューティングのような先進テクノロジーのうち、すでにデプロイ済みか 12 か月以内にデプロイ予定と答えた企業も 48 %と回答数がいちばん多いテクノロジーとなった。このような状況で CISO が考えなければならないのは「AI はいつ、どこで、どのように侵害される(される可能性がある)のか」そして「どのような対策・行動が必要なのか」という 2 つだ(ガードナー氏)」


《中尾 真二( Shinji Nakao )》

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