監視カメラのハイクビジョン、「ウイグル族識別技術」で中国政府と契約 ~ NVIDIA 「中古製品の二次販売規制は不可能」 | ScanNetSecurity
2024.04.27(土)

監視カメラのハイクビジョン、「ウイグル族識別技術」で中国政府と契約 ~ NVIDIA 「中古製品の二次販売規制は不可能」

 広報担当者は取材に対し「当社はこのプロジェクトに参加しておらず、当社顧客による製品供与も把握していません」と述べ「中古 GPU の二次販売を規制するのは当社では対応できません」と付け加えた。

国際
(イメージ画像)

 物理的監視システムに関する調査を行う機関 IPVM によると、中国に本社を置く監視カメラメーカーのハイクビジョンは昨年、中国政府から 600 万ドルの支払いを受け、イスラム教徒が大多数を占めるウイグル族出身人物を識別する技術を提供する契約を結んだ。

 その支払いは、IPVM が入手した、ハイクビジョンと海南省澄邁県との間で取り交わされた契約書に記録されていた。

 「中華人民共和国はこのような機密文書へのアクセスを厳しく制限しており、このことは少数民族であるウイグル族への弾圧が進行中であること、そしてハイクビジョンが、中国当局の言う同社の『標準体制』において、この人権侵害ソフトウェアを提供することが可能であり、現に提供していることを示している」と IPVM の研究者は先週(編集部註:7月24日週)述べた。

 中国政府は、ウイグル族の信仰と中央アジア文化への帰属が中国の主権を脅かしているという理由で、彼らを脅威視している。各人権団体は、ウイグル人が監視、監禁、強制労働の対象となっており、信仰や文化的慣習の放棄を促す再教育を受けさせられ、不妊手術を強制される場合もあると主張している

 ITベンダーは、自社の製品がこうした取り組みを支援しており、おそらくは中国政府による人権侵害の能力構築に寄与している可能性さえあることを把握しているのではないかと考えられている。

 ハイクビジョンは 2019 年、中国政府によるウイグル族弾圧に加担した疑いで米国のブラックリストに追加された。ハイクビジョンは人権侵害に「故意に」関与していることを否定している。


《The Register》

編集部おすすめの記事

特集

国際 アクセスランキング

  1. 海外における個人情報流出事件とその対応 第234回 頻発する税務局関連フィッシング(1)税還付フィッシングツールキット

    海外における個人情報流出事件とその対応 第234回 頻発する税務局関連フィッシング(1)税還付フィッシングツールキット

  2. Extended Random:NSA と RSA の幻のバックドア~その研究は Snowden 風の「スパイ暴露」ではなく、すべて Dual EC DRBG の攻撃に関するものだった(The Register)

    Extended Random:NSA と RSA の幻のバックドア~その研究は Snowden 風の「スパイ暴露」ではなく、すべて Dual EC DRBG の攻撃に関するものだった(The Register)

  3. エミュレーター用のゲームROMを配布サイトへ損害賠償と閉鎖、ドメインの引き渡し等を求めて提訴(任天堂)

    エミュレーター用のゲームROMを配布サイトへ損害賠償と閉鎖、ドメインの引き渡し等を求めて提訴(任天堂)

  4. フィンテック企業従業員が退職後顧客データをSaaSからダウンロード ~ 離職手続の重要性浮き彫り

  5. NASAに侵入したハッカー、逮捕される

  6. Superfish:Lenovo はアドウェアを廃止するが、それは SSL の大きな脆弱性の解決にはならない~広告挿入のクラップウェアに対処する方法(The Register)

  7. 訃報:セキュリティの草分けロス・アンダーソン氏 死去 67 歳、何回分かの生涯に匹敵する業績

  8. レポート:NSA は、ほとんどのインターネットの暗号を侵害してきた~このあたりも住みにくくなったものだ(The Register)

  9. ブリトニー・スピアーズの画像を装うElitorワーム

  10. フォレンジック・ビジネスがApple FileVaultを1時間未満でクラック〜Passware、Lionの腹をひっかいてディスクに侵入(The Register)

アクセスランキングをもっと見る

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×