独立行政法人情報処理推進機構(IPA)および一般社団法人JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は7月6日、OpenSSLにおける複数の脆弱性について「Japan Vulnerability Notes(JVN)」で発表した。影響を受けるシステムと脆弱性は以下の通り。
・RSA秘密鍵の操作におけるヒープメモリ破損(CVE-2022-2274)
OpenSSL 3.0.4
(X86_64CPUのAVX512IFMA命令をサポートし、2048ビットRSA秘密鍵を使用するサーバで影響を受ける)
→OpenSSL 3.0.4リリースのAVX512IFMA命令をサポートするX86_64CPUのRSA実装不備により、2048ビットの秘密鍵を使用すると、計算中にメモリ破壊が発生する脆弱性が存在し、攻撃者によってリモートコード実行が行われる可能性がある。
・AES OCBが一部のバイトの暗号化に失敗(CVE-2022-2097)
OpenSSL 1.1.1から1.1.1pおよび3.0.0から3.0.4
(OpenSSLのTLSおよびDTLSでは、OCBベースの暗号スイートをサポートしていないため影響を受けない)
→32ビットx86プラットフォーム向けのAES OCBモードにて、AES-NIアセンブリ最適化実装を使用するとデータが暗号化されない場合があり、攻撃者によってメモリ内のデータが読み取られる可能性がある。
JVNでは、開発者が提供する情報をもとに、最新版へアップデートするよう呼びかけている。