独立行政法人情報処理推進機構(IPA)および一般社団法人JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は3月16日、キングソフト製「WPS Office」および「KINGSOFT Internet Security」における複数の脆弱性について「Japan Vulnerability Notes(JVN)」で発表した。Satoshi Tanda 氏、合同会社セキュリティ・プロフェッショナルズ・ネットワーク の吉田英二(Eiji James Yoshida)氏、長谷川智久氏が報告を行っている。影響を受けるシステムは以下の通り。
・CVE-2022-25949
KINGSOFT Internet Security 9 Plus (バージョン 2010.06.23.247 に対して届出が行われています)
・CVE-2022-26081、CVE-2022-25969
WPS Office のインストーラ (バージョン 10.8.0.5745 およびバージョン 10.8.0.6186 に対して届出が行われています)
・CVE-2022-26511
WPS Presentation (バージョン 11.8.0.5745 に対して届出が行われています)
キングソフト株式会社が提供する「WPS Office」および「KINGSOFT Internet Security」には、次の複数の脆弱性が存在し、想定される影響は各脆弱性により異なるが、次のような影響を受ける可能性がある。
・スタックベースのバッファオーバーフロー(CVE-2022-25949)
→当該製品がインストールされたシステムにログイン可能なユーザによって管理者権限を取得され、カーネルモードで任意のコードを実行される
・意図しない DLL を読み込んでしまう脆弱性(CVE-2022-26081、CVE-2022-25969、CVE-2022-26511)
(ユーザのシステムを攻撃する目的で作成された DLL ファイルを、攻撃者の意図する場所にユーザが自ら配置することを想定している。)
CVE-2022-26081、CVE-25969:インストーラを実行している権限で、任意のコードを実行される
CVE-2022-26511:プログラムを実行している権限で任意のコードを実行される
キングソフトでは、当該製品のサポートを終了しており、修正アップデートは提供しない。後継製品への移行を推奨している。