新型コロナ検査結果を委託先の株式会社ナチュラリが二度誤通知、堺市は契約内容を検討 | ScanNetSecurity
2024.03.19(火)

新型コロナ検査結果を委託先の株式会社ナチュラリが二度誤通知、堺市は契約内容を検討

大阪府堺市は9月2日、同市が実施する新型コロナウイルス感染症の検査にて、検査委託業者が検査の受検者に誤った検査結果を通知したことが判明したと発表した。同市では9月7日にも同じ検査委託業者による誤通知を発表している。

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 大阪府堺市は9月2日、同市が実施する新型コロナウイルス感染症の検査にて、検査委託業者が検査の受検者に誤った検査結果を通知したことが判明したと発表した。同市では9月7日にも同じ検査委託業者による誤通知を発表している。

 同市では濃厚接触者等の検査について、持参等で提出された検査に必要な検体を、堺市衛生研究所または民間検査機関でPCR検査を実施していたが、8月25日から濃厚接触者のPCR検査業務を株式会社ナチュラリへ一部委託し、郵送による検査を開始した。

 同市によると9月1日正午以降に、受検者本人に対し結果通知を電話またはメールで行った後に、委託業者が誤通知の事実に気づき、同日午後4時に同市に連絡があった。

 検査総数860件のうち誤通知があったのは17件で、陽性を陰性としたものが11件、陰性を陽性としたものが6件。

 同市によると誤通知の原因は、再検査となった事案に関し結果通知用データに検査結果データの転記ミスが12件、一部の陽性者について検査から結果通知までの工程途中でシステムのバージョン移行に伴うデータ処理漏れが5件あり、正しい検査結果が出力されない状態であった。

 検査委託業者は誤通知した受検者全員に、電話連絡を行い正しい結果を伝達するとともに謝罪を行っている。

 9月7日公表分の誤通知については、9月6日午後3時10分に検査受検者から別人の結果がメールで届いていると同市に報告があり発覚したもので、同市から検査委託業者に他にも誤通知を行った事案が無いか調査するよう指示したところ、同じタイミングで検査結果の通知を行った62名(報告者含む)に対し特定の1名の検査結果を送付したことが判明した。

 誤通知はメール通知した62件で、特定の1名の氏名(漢字)、発行日、検体ID、採取日、検査日、検査結果が記載されていた。

 検査委託業者は9月7日午前11時9分までに、誤通知した受検者全員に電話連絡を行い、正しい結果を伝達するとともに誤通知した検査結果の添付ファイルの削除依頼と謝罪を行っている。また堺市でも誤通知の本人と家族に9月7日午前10時15分までに、電話による謝罪と説明を行っている。

 同市によると、検査委託業者が実施する検査結果通知では本来、それぞれの検査者の検査結果データを引
用して作成される検査結果通知用のPDFファイルをメールに添付のうえ送付するようになっているが、今回はPDF作成時のシステムエラーで受検者全員のPDFファイルが特定の1名の検査結果データを引用して出力され、検査結果通知用PDFを保管するフォルダに保存された。

 検査委託業者による一括メール送付前の人的チェックで、結果通知用PDFが正しく作成されていないことが判明し、改めて正しい結果通知用PDFを作成したうえでデータ保管用フォルダに保存し、誤って作成された結果通知用PDFファイルはデータ保管用フォルダ内に新たに別のサブフォルダを作成し移動した。

 検査委託業者が使用する一括メール送付システムでは、結果通知メールに結果通知用PDFを添付する際に、データ保管用フォルダ内の結果通知用PDFを添付する仕様となっていたが、当該フォルダ内に別のフォル
ダがある場合はそのフォルダからもPDFを添付し、添付ファイルを上書きする仕様となっていたことから、エラーデータ格納先フォルダに保存されていた特定の1名の結果通知データを一括して送信してしまった。

 検査委託業者の結果通知の送付担当責任者は、一括メール送付システムの仕様を十分熟知しておらず、本件についてシステム担当者との確認も行われていなかったことから、誤通知に気付かず自動送信されたことが判明した。

 堺市では、委託業者との契約内容についても速やかに検討を行うとのこと。
《ScanNetSecurity》

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