Microsoft Windows OS において Print Spooler サービスの権限設定不備により特権昇格が可能となる脆弱性(Scan Tech Report) | ScanNetSecurity
2024.07.27(土)

Microsoft Windows OS において Print Spooler サービスの権限設定不備により特権昇格が可能となる脆弱性(Scan Tech Report)

2021 年 6 月に、Microsoft Windows の Print Spooler サービスに、特権昇格につながる脆弱性が報告されています。

脆弱性と脅威
Microsoft Windows OS において Print Spooler サービスの権限設定不備により特権昇格が可能となる脆弱性(Scan Tech Report)
◆概要
 2021 年 6 月に、Microsoft Windows の Print Spooler サービスに、特権昇格につながる脆弱性が報告されています。攻撃者に脆弱性を悪用されてしまった場合は、ローカル管理者権限の奪取やネットワークの全権限の掌握につながります。セキュリティ更新プログラムの適用と、サービスの制御により対策してください。

◆分析者コメント
 当該脆弱性は複数回のセキュリティ更新プログラム回避により、複数の CVE 番号が割り当てられている脆弱性です。エクスプロイトコードが複数公開されており、脆弱性が存在する場合は攻撃が容易な状況です。セキュリティ更新プログラムを最新に保つことはもちろんですが、セキュリティ更新プログラムの回避が見つかった場合に備えて、サーバ機では Print Spooler サービス自体を可能な限り停止することを推奨します。

◆深刻度(CVSS)
[CVSS v3.1]
+ CVE-2021-1675
8.8
https://nvd.nist.gov/vuln-metrics/cvss/v3-calculator?name=CVE-2021-1675&vector=AV:N/AC:L/PR:N/UI:R/S:U/C:H/I:H/A:H&version=3.1&source=NIST

+ CVE-2021-34527
8.8
https://nvd.nist.gov/vuln/detail/CVE-2021-34527#:~:text=Base%20Score%3A%C2%A0-,8.8%20HIGH,-Vector%3A%C2%A0%20CVSS%3A3.1

◆影響を受けるソフトウェア
 以下のバージョンの Microsoft Windows OS が当該脆弱性の影響を受けると報告されています。

    + Microsoft Windows 10 20H2
    + Microsoft Windows 10 2004
    + Microsoft Windows 10 21H1
    + Microsoft Windows 10 1909
    + Microsoft Windows 10 1809
    + Microsoft Windows 10 1607
    + Microsoft Windows 8.1
    + Microsoft Windows 7
    + Microsoft Windows Server 2008 SP1
    + Microsoft Windows Server 2008 SP2
    + Microsoft Windows Server 2012
    + Microsoft Windows Server 2012 R2
    + Microsoft Windows Server 2016
    + Microsoft Windows Server 2019

Microsoft Windows 10 の古いバージョンがどこまで影響を受けるかの情報は確認していません。

◆解説
 Microsoft Windows OS に、ローカル管理者権限の奪取や、Active Directory のドメイン管理者権限の奪取につながる脆弱性が報告されています。
《株式会社ラック デジタルペンテスト部》

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