イギリスに本社があり自動車産業系技術コンサルティングを行う株式会社SBDジャパンは7月1日、「スマートフォンキーシステムの評価シリーズ 2020」を発表した。スマートフォンキーはスマートフォンアプリを使用して車両のアンロック、ロック、およびスタートを行うもので、初期システムではSMSプロトコルを用いてコマンドをオフボードオペレーションセンター経由で車両に送信していたが、最新システムではBLE(Bluetooth Low Energy)またはNFC(近距離無線通信)を介して直接車両と通信を行っている。現在、市販されている大半のシステムでは、個人で車両キーの共有が可能で、車両オーナーは特定の本数のバーチャルキーを必要に応じて共有したり削除することができる。BLEスマートフォンキーシステムは通信範囲が通常100m超と、NFCシステムの最大10cmと比べて非常に大きく、ユーザーが車両に近づく、またはユーザーが車両に設置されたセンサを作動させることでアンロック認証が実行され、ユーザーはスマートフォンを取り出さなくても車のロックを解除できるが、NFCシステムと比較するとセキュリティ上の懸念点が存在する。NFCシステムでは、通信範囲が10センチ未満に制限されているため、スマートフォンまたはカードをNFCリーダーに近づけ保持することで通信を行う。ユーザーはスマートフォンやカードを取り出す必要があり、現行のスマートキーやBLEシステムに比べ利便性が低いと見なされることがある。今回、発表された同レポートでは、3月発売の「BMW X5 キー共有機能付きNFCシステム」と6月発売の「Roewe ERX5 BLEシステム」、「Weltmeister EX5 BLEシステム」の3車種について、スマートフォンキーの登録プロセスと機能に加えスマートフォンと車両間の通信とキー共有機能のセキュリティ性の評価を行っている。