国の医療データベースの情報を3社の製薬企業に提供、前例の無い処分(厚生労働省) | ScanNetSecurity
2024.03.30(土)

国の医療データベースの情報を3社の製薬企業に提供、前例の無い処分(厚生労働省)

厚生労働省は5月1日、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)のデータの利用目的以外でのデータ利用が判明したと発表した。

インシデント・事故 インシデント・情報漏えい
厚生労働省は5月1日、レセプト情報・特定健診等情報データベース(NDB)のデータの利用目的以外でのデータ利用が判明したと発表した。

厚生労働省では、高齢者の医療の確保に関する法律に基づき、レセプト情報と特定健診等情報の匿名化したデータを収集しNDBに収蔵するとともに、2011年以降は行政機関や研究者に対しデータを提供しているが、今回、国立精神・神経医療研究センターが行うNDBのデータを用いた研究で、データ提供等に関する利用規約違反に当たる、予め申し出た利用目的以外でのデータ利用が行われた疑いが生じ事実関係の調査を行ったところ、同センターの山之内芳雄氏主導による目的外利用の事実が確認された。

同省では国立精神・神経医療研究センターの山之内芳雄氏に対し、「レセプト情報・特定健診等情報の提供に関するガイドライン」と「レセプト情報等の提供等利用規約」の規定に基づき、レセプト情報等の速やかな返却と複写データの消去、中間生成物の消去及び成果物の公表の禁止を命じるとともに、レセプト情報等の提供の無期限禁止と氏名・所属機関の公表の措置を行った。

ScanNetSecurityの取材に対し同省の担当者は「山之内氏は精神疾患治療薬の都道府県ごとの使用量のデータを製薬企業3社に提供していた。無期限の利用停止は最も重い処分で前例が無い」と述べ、事態把握のきっかけに関する質問には「こういった目的外利用の情報は色んなところから入ってくる」と情報源を秘匿した。

同省では今後も、NDBデータの提供先の研究状況の調査と監査などによりデータの適切な利用を徹底し、再発防止に取り組むとのこと。
《高杉 世界( Sekai Takasugi )》

関連記事

Scan PREMIUM 会員限定記事

もっと見る

Scan PREMIUM 会員限定記事特集をもっと見る

カテゴリ別新着記事

「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」
「経理」「営業」「企画」「プログラミング」「デザイン」と並ぶ、事業で成功するためのビジネスセンスが「セキュリティ」

ページ右上「ユーザー登録」から会員登録すれば会員限定記事を閲覧できます。毎週月曜の朝、先週一週間のセキュリティ動向を総括しふりかえるメルマガをお届け。(写真:ScanNetSecurity 名誉編集長 りく)

×