NTTデータ先端技術株式会社は3月9日、「Apache Tomcatにおける情報漏えいの脆弱性(CVE-2020-1938)についての検証レポート」を公開した。この脆弱性は、2月24日にApache Software Foundationにより公表されたもの。同社の松本拓也氏、上原渓一郎氏が報告している。本脆弱性は、AJPにおけるAttributeに関する適切な処理が行われないことに起因するもの。この脆弱性が悪用された場合、リモートの攻撃者が任意のファイルを窃取できる可能性がある。また、Webアプリケーションがサーバへのファイルアップロードや保存を許可している場合、リモートから任意のコードが実行される可能性がある。この脆弱性の再現性について検証を行った。検証は、Ubuntu 18.04.2 64bit、およびApache Tomcat 8.5.32をターゲットシステムとして実施した。まず、脆弱性が存在するApache TomcatのAJPプロトコル通信を受け付けるポート(例:TCP 8009)に対して不正なAJPリクエストを送信し、Webアプリケーションのルートディレクトリにあるファイルの読み取りが可能なことを確認。攻撃対象サーバに対する概念実証コードの実行により、Webアプリケーションのルートディレクトリにあるweb.xmlファイルの内容をリモートから取得できることが確認できた。また、攻撃対象サーバ上の/etc/passwdを表示するよう記述したJSPファイルをpasswd.txtというファイル名であらかじめアップロードしておき、概念実証コードを利用して読み取ることによって、リモートからのコード実行を試みた。攻撃対象のサーバに対して攻撃者サーバからAJPリクエストを送信することで、攻撃対象サーバ上の/etc/passwdを表示するコードをリモートから実行できた。
Microsoft Windows においてインストール処理時におけるシンボリックリンク検証不備により任意のファイルの全権限が奪取可能となる脆弱性(Scan Tech Report)2020.3.3 Tue 8:10