一般社団法人 JPCERT コーディネーションセンター(JPCERT/CC)は11月27日、「マルウエア Emotet の感染に関する注意喚起」を発表した。2019年10月後半より、マルウエア「Emotet」の感染に関する相談を多数受けており、特に実在の組織や人物になりすましたメールに添付された悪性なWord文書ファイルによる感染被害の報告を多数受けているという。JPCERT/CCでは、主にメールに添付されたWord形式のファイルを実行し、コンテンツの有効化を実行することで、Emotetに感染する事案を確認しているという。Emotetの感染につながる可能性のあるメールは、Emotetが窃取した情報などを元に独自に作成されているものに加え、実際の組織間のメールのやりとりの内容を転用することで、感染元から送信先への返信を装うものがある。そのため、取引先の担当者から送られているようにみえるメールでも、実際はEmotetが窃取した情報を元に攻撃者側から送られている「なりすましメール」である可能性があるため、注意が必要としている。添付されたファイルには、コンテンツの有効化を促す内容が記載されており、有効化してしまうとEmotetがダウンロードされる。感染すると、端末やブラウザに保存されたパスワードなどの認証情報を窃取されたり、SMBによりネットワーク内に感染が広がるなどの影響を受ける可能性がある。JPCERT/CCでは対策を示し検討をうながしている。