警視庁は10月5日、「平成30年上半期におけるサイバー空間をめぐる脅威の情勢について」をまとめ、発表した。同期における「サイバー犯罪の相談状況(都内)」「インターネットバンキングの不正送金事犯の状況(都内)」「サイバー犯罪の検挙状況(都内)」「サイバー攻撃の情勢等(全国)」についてまとめている。標的型攻撃メールの件数は2,578件で前年同期から1,989件増加、その約87%を「ばらまき型」が占めた。サイバー犯罪の相談状況は、相談受理件数の総数は5,623件と前年同期から1,757件減少している。しかし、もっとも多かった「詐欺・悪質商法」は全体の42.9%を占め、件数も2,414件と前期の2,312件から増加した。インターネットバンキングの不正送金事犯による被害の発生件数は134件、被害額は1億9,900万円で、前期から件数は8件増加したが被害額は約200万円の減少となっている。法人における被害額は約760万円と、前年同期(約2,300万円)から約67%減少した。不正送金の一次送金先の名義人は約64.5%がベトナム国籍であった。サイバー犯罪の検挙状況では、検挙件数は389件、検挙人員は375名。内訳では「ネットワーク利用犯罪」が全体の約93.8%を占めた。名誉毀損、商標法、特別法犯その他のうち、青少年保護育成条例、児童福祉法、医薬品医療機器等法、犯罪収益移転防止法等の検挙が増加した。検挙事例では、Windows7を改変・販売した商標法違反事件や、開設した仮想通貨口座の必要な識別情報を他人に提供した事件、対面取引による多額の仮想通貨詐欺事件などを挙げている。