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2024.04.20(土)

FFRI 鵜飼裕司の Black Hat USA 2018 注目 Briefings(1)日本はグローバルセキュリティ業界のインナーサークルにいない

「そこそこの規模がある国のなかでは日本が一番発表していないかもしれません。数が圧倒的に少ない。」

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――キーワードは「足下」ですか。

「足下」と「ちょっと先」です。Black Hat って、たまにアクセプトを狙いたいがために、アブストラクトをグイグイ盛って、ありもしないような脅威をあおるパターンもあると思うんですが、それが実際の脅威になりえるかどうかがポイントだと思っています。

以前ライフルがハッキングされましたという話があったと思うんですが、まず日本にライフルないですから関係ないですよねって話があったり(笑)。発表も「そう設計していたらそうなりますよね」っていう内容で、「技術的にはそれはそうでしょう」という話で、要は「ライフル」というところが異常にセンセーショナルに取りあげられていました。

センセーショナルなんだけれども、実際ほんとに知っておくべきなのかどうかは別問題で、そういった意味で Black Hat にアクセプトされてる論文は玉石混交で ― もちろん人によっては全部「玉」しかないのかもしれないですけれども ― 実際の対策を考えていく側からすると、やっぱり玉石混交なところもあります。

派手だからとか、お客さんがいっぱい入っているからという理由だけで聞くのは、時間がもったいないなというところもあるんじゃないかと思っています。もちろん時間に余裕があればいいんだと思いますが、時間に余裕がない人は地味だけど重要な発表もあったりしますので、その辺は見極めて行かれるといいと思います。

――取材しているとハイコンセプトなものや、ネタっぽいセッションもありますね。いいセッションの見分け方や秘訣はありませんか。たとえば、タイトルが派手だと中味はイマイチの傾向あり、とか。

それが、タイトルが派手でも内容がいい人たちもいますし、タイトルも内容も地味だったり、あるいはタイトルも内容もダメだったり、そこは判断難しいところで。

――発表者の所属組織や研究機関、それまでのバックグラウンドが大事なんですかね。

そこは重要だと思いますね。信頼性があるかどうか。そこはレビューボードも見ていて、突拍子もない何かがポーンと出てきたときに、そこはかなり入念にレビューをしています。レビューボードはたくさんいるので「こいつはどこそこで発表していたけど内容イマイチだった」みたいな話がすぐ出てきたりする。フィルタがされています。

ただ、レビューボードが見るだけでもなく、運営側から入ってくる発表もありますし、マスコミ受けしそうという理由でアクセプトされるのもやっぱりありますね。

――それはやっぱり Black Hat 自体の認知度を上げるとか下げないためですか。

ブランディングですね。

《高橋 潤哉( Junya Takahashi )》

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