株式会社カスペルスキーは5月21日、ルータのDNS設定を改ざんし悪意あるサイトへ誘導する「Roaming Mantis」攻撃について、続報を発表した。4月16日のKaspersky Labの調査チームによる発表では、主にアジア地域を標的にルータのDNS設定を改ざんし、攻撃者のサーバに誘導してAndroid向けマルウェアのインストールを促していた。その後の調査により、この攻撃は進化を続け、現在では27言語(ポーランド語、ドイツ語、アラビア語、ブルガリア語、ロシア語など)に対応し、攻撃対象がiOSデバイスであった場合には、Appleを騙ったフィッシングサイトに転送する機能や、誘導先のページ上にユーザのPCのリソースを密かに使用して仮想通貨のマイニングを行う機能も追加されている。同社の観測によると、攻撃範囲の拡大と対象言語の増加に伴い、カスペルスキー製品で検知したユーザの数も増加。対応言語が27言語に増えてから、少なくとも数日以内に100以上のユニークユーザの環境で検知している。同社のグローバル調査分析チーム(GReAT)のセキュリティリサーチャーである石丸傑氏は、攻撃者は、金銭目的のサイバー犯罪者であると見ており、中国語話者もしくは韓国語話者の関与を示す手がかりも複数発見している。また、この攻撃に確固とした目的があることは明らかであるため、すぐに収束する可能性は低いとしている。